ヒロインの心理描写がとても丁寧な寝取られゲー。ただ、興奮度&インパクトでは1に及ばず
前作で描かれた寝取らせ温泉旅行のあとの話。
表面的には平穏な生活が戻ってきたものの、
妻は主人公に内緒でヤブヌマと再会する約束をしていて――
といったところから物語が始まります。
私は、てっきり前作の段階でヒロインは堕ちているものだと思っていたんですが、
どうやらそれは間違いだったようで、本作で描かれるのは、
したたかな手段を用い淫らな関係を迫ってくるヤブヌマと、
夫への想いを胸に肉体の快楽から必死に抗おうとする妻の姿。
確かに、創作(エロゲ)的ではなく現実的に考えてみれば、
貞淑の鑑的なヒロインのキャラからしても、
本作のようなストーリー展開は筋が通っていると思う。
加えて、前作では気付かなかったんだけど、制作者のナオト氏は、
墜ちゆく女性の心理を描くのが本当に上手い
――揺れる女心につけ込む口説きシーン&ピロートークの描写なんかも見事。
MTSPのJinに匹敵するレベルやね。
なので、女性視点の寝取られや堕ちモノが好きな人にとっては、
本作の内容はめっちゃんこツボる可能性大ッス。
ただねー……これはこれで完成してるとは思うのだけれど、
私としては妻とヤブの殺るか殺られるかの駆け引きより、
堕ちたあと、もしくはあーだこーだ言い訳しつつも
自分から抱かれにいってしまう妻の姿ってヤツが見たかったんだな。
【妻、再会の約束をすっぽかす】→【ヤブ脅迫する】→【駆け引きが始まる】
ではなくて、【妻、葛藤しつつも再会場所へ】→【ヤブの極上テクで完堕ち】→
【主人公に隠れて浮気をし続ける】または【夫婦公認の浮気プレイになって――】
みたいな感じにしてほしかった。上でも少し触れたように、
前作の段階すでに妻は堕ちている状態だと思ってたくらいだし、
そこからの話を描いたとしても、それはそれでアリだったと思うんだ。
実際、私が本作でイチバン興奮したのは、
初めて妻が自分の意志でヤブに抱かれにいくシーンと、
ENDのひとつで寝取らせが夫婦公認となり、ふたりがラブエッチするところ。
そのENDでは妻がヤブに抱かれることを受け入れてから、1年後――
って時間が飛んで語られるのだけれど、期待してたのはそこなのだよと。
どんどんヤブに染められて女になっていく妻の姿をね、ハァハァしながら見たかったんだ。
前作の温泉旅館のシーンで主人公に自分を重ね、
心臓を締め付けられるような感覚に陥った人、
端的に言うと、寝取られの興奮を精神的な被虐シチュの一種と
とらえているタイプにとっては、
物足りなさというか少々ズレた印象を受けてしまうかもしれません。
まあ、それでも完成度が非常に高い(絵やシステム面などは置いといて)
寝取られゲーであることには違いないッス。オススメ。
寝取られ興奮度:3
(※自分がどれくらいドキバクしたかを5段階で評価)