いまなお決して色あせない、様々な家族の形を描いた不朽の名作である。
keyが描き続けてきた擬似家族の主題はもとより、子供が大人に成長して自分の家庭をもち、かつての崩壊した子供時代の家族を捉え返すさまなど、年齢や立場によって見える景色のちがう家族の主題を、それぞれの角度から捉えて描いためずらしい作品でもあった。また豊富な主題についても、他作品を寄せつけない出色の物語であり、若かりし私の物の見方を大きく変えてくれた作品でもある。個人的には琴美のルートがとても好きで、学者である父親の、「科学の言葉で語りえないからといって奇蹟を笑ってはならない」という言葉をとても大切にしている。