推奨攻略順さえ遵守できれば誰もが最高だったと思える
友人が最高傑作の一つであるという絶賛の上で期待を決めてプレイ。
どうやら「本校さえやっておけばいい」という話でしたが自分自身きちんとオールクリアまで終わらせておきたい自分自身の矜持を忘れられず、敢えて「分校」から初めてみました。
栖香→美綺→邑那→殿子→梓乃→みやび
この順序で進めました。振り返ってみても、間違いがなかったと確信できます。
分校での軸になる話は、仁礼、相澤、蘆部が織りなす家庭戦争と姉妹不和。
とうか、みさき姉妹の関係性を知ってからユウナルートに行くとだいぶ家庭環境が見えてくる。
そして分校のヒロインはHシーンが多め。好感度が上がってくる過程は親切かつ丁寧なのですが
ここでのルートは全体的に主人公が後ろ向きすぎる。教師と生徒のありがちなアレがよぎってくるのは
仕方のない話ではあるのですが・・。
そのへんの話の取りまとめであるユウナルートは自分的には評価が高かった。
友人がだいぶハードルを下げてくれた原因もあるのですが、最後の最後の締めくくりが
しっかりしていて、とても読後感が心地よく、いい感じで本校ルートに繋げられました。
期待していた本校ルートですが、思った通りの「読ませるシナリオ」で期待通り。
分校ヒロインが終了したところでほぼ大半のHシーンが埋まっていたので不安感は否めませんでしたが
エロゲというよりノベルゲーとして評価してもいいくらい。
殿子の放浪癖の謎も意外とあっさり判明して、家との仲が上手くいってないというのも
予想通りでしたが、そこで突拍子もない大発見から好感度の乱高下の展開が非常に良かった。
かけがえのない友人である梓乃ルート。人間恐怖症に真っ向からぶつかっていく主人公がすごかった。
ここでは親子関係は極めて良好なので、そこでのあれこれは薄めでしたが逆にそれが
自分自身のトラウマとの葛藤から乗り越えていく姿が非常に丁寧に描かれていて素晴らしかった。
そして、最後の締めくくりのみやびルート。
お嬢様と北都南さんの組み合わせは旧作の王道と言っても過言ではないなぁ。と改めて思いました。
そしてみやびの後ろをいつもそっと支えてくれていた、リーダの一面。
みやびリーダルートといっても間違いではなかったかな。
突然登場してくる由の役回りも非常に好印象。どこかで闇が見え隠れしてシナリオの中で
何かあるのかな?なんて思いましたが、考えてみればPULLTOPの作品ではあまりそういう
静かな悪意のある役柄というのが存在しないのですよね。悪役っぽい人は最初から悪役でわかりやすい。
クライマックスに近いところで自分自身の弱さで拒絶してしまう場面を全力で
ぶつかっていくリーダの演技は圧巻でした。そしてその後に全力で感情をぶつけるみやびの演技も
圧巻でした。感動する場面が非常に多く、みやびルートは最後の最後にとっておくのが推奨です。
読後感が素晴らしく、これは大半の人が高得点をつけるというのも非常に納得。
Hシーン目当てだと若干足りない面は否めませんが、学園もののシナリオゲーとしては
文句なしに推せる傑作の一つです。