シナリオを纏った抜きゲー(名作)
不思議なことに、リリース直後からこれを買っている人が結構多かったです。
思ったよりもクリアした人が多い。なぜ?不思議で仕方がない。それくらいの魅力があるから?
そう考えて気になるとどうしても手にしたいと思うのが人間の摂理。ということで高額でしたが購入して
試すことにしました。
部活のメンバーが途中で事故に遭い全員散り散りになり、主人公が湖に不思議な美女を目撃した瞬間に
・・いきなりHシーンが始まります。それも結構激しいやつ。度肝を抜かれました。
そしてメンバーに再会して、少しづつ生活環境が改善されていくサバイバル生活が始まり・・。
夢を見るたびに、Hシーンが始まります。しかも矢継ぎ早にどんどん進んであっという間に全員と
体を重ねてしまいます。この原因はどういうことなのか。村全体の異様な光景を分析していく間に
面白い設定が少しづつ明らかになります。ストーリーとしても非常によくできているなと感じました。
推奨攻略順は必須です。村のしきたりや経緯、籠女の正体などなど、進めていくうえで理解を深めるためには
「梓以外のヒロイン→梓→朱理→籠女」という形で攻略を進めていくのがベストです。
実は全てにおいてハッピーエンドで終わるわけではなく、体は交えても結局幸せになれないヒロインがいたりもします。これはこれでありなのかもしれない。
序盤のうちに村から脱出する条件として籠女から言われていた「人柱を捧げなければいけない」ルールで実際に人柱としてストーリーの終盤を盛り上げるヒロインは最後の3人です。残りは大まかな村のしきたりの把握、そしてヒロインが村を脱出したあと中途半端に村の呪いで体だけを重ねたアフターという結末。
グランドルートが朱理なのか、籠女なのか、どちらを選ぶか意見が分かれそうです。どちらも非常によく出来ていました。廃村に堕ちた原因は自分にあり、血族である自分自身にケジメをつけるべく奔走する朱理ルート、そしてケガレを正式な儀式で全力で「ヒメヨシサマ」の末裔であることが判明した主人公と一緒に決着をつける籠女ルート。
どちらともに見ごたえのある非常によく作られたシナリオだと思いました。
とはいえ、「梓ルート」もある意味しきたりに則ったルートであり、大好きな主人公と村で幸せに暮すという形でのエンディングであるため、こちらはこちらでいい形で終わったルートでもあります。
トゥルーなのか、バッドなのかは見た人が決めることになるくらいの絶妙な塩梅です。
村を探索するとHシーン、寝るとHシーン、とにかくシーンがやってくるペースの速さは間違いなく抜きゲー。
シンプルながらも考えすぎずすっと頭に入る独特の世界観はシナリオゲーといってもいいくらい。
バランスゲーとしての完成度は非常に優秀で、これがエスクード飛躍の起爆剤になったのは間違いなさそうです。
最後に、声豚的な観点から言うと、レビューした方の感想にも書いてありますが、ヒロインの中で非常に演技力にバラツキがあって、それが気になる人が少なからずいるかもしれません。
籠女を演じた御園生メイさんはさすがとしか言いようがありません。神として、神秘的な少し浮世離れしているヒロインを非常に上手に演技されていました。この方はHシーンも上手なので素晴らしかったです。
なので、Hシーンが下手な人がいると、どうしてもこれが気になるわけで、更にこれでもかって位にシーンが多いもので流す割合も結構高く、それがプレイ時間の短さにも繋がる悪循環。あまり見たことのない名義の方が多かったのですが、どこかで聴いたことあるような、というような人たちが多かったです。
ガチホラーでもなく、かといってガチ抜きゲーというわけでもない。
ある意味いい形での違うジャンルが作られた本作品は間違いなく名作と言っていいでしょう。
ツッコミどころがないわけではないので、流石に100点は付きませんでしたが、たくさんの方に触れてみてもらいたいです。