短時間でもここまでのストーリーを詰め込んだ奇跡
仲のいい人からオススメされてつい購入。何らかでタイミングが良くて安いときに買えました。
入院することが決まりSwitchでちょうどいいものがないかを調べていたところに本当に丁度よく
手に入れることができたので、遊び始めました。
とはいえ、こちらは実は「2つ目」で、入院当初にATRIを遊んですっかりどっぷりハマってしまい
クリア後の余韻も想定外に大きかったこと、想定外に手術が終わったあとの退院が早くて帰ってきたあとに
こちらを続けるモチベーションが一時的に凍結してプレイ途中の積みゲーになっていました。
そして、入院こそはしませんでしたがインフルで寝込むことになってSwitchをもう一回触ってこちらで
遊ぶことにしたわけなのですが。
正直な所なめてました。短編作品でATRIの上をいくものはないと考えていましたが、もしかしたら
こちらを上にする人が多いかもしれません。それくらい、後半になればなるほど盛り上がり具合は
留まることを知らないくらいすごいことになります。
地球だけの話に留まらず、銀河系にまで話が飛びに飛びまくって、そこにいる様々な種族、
地球のとある都市にいるいろいろな登場人物。短編であればそこまで登場人物を増やしたらわかりづらく
こじれてしまいがちなところをギリギリに留めて各人の個性をきちんと演出しているという。
宇宙人に連れ去られた主人公が10年経過してやっと地球に戻ってきて母親探しをするところが
根幹。たまたま手に入れたトカゲ石が銀河系でも途方もない価値があっていろいろなところから
追手がやってきて相方のアルコといろいろな話に展開していく、そんな話。
一時間くらいは、この作品のスピード感とグラフィックを見るための「慣れ」時間。
これが終われば、気がついたらもうエンディングです。
それくらい、ストーリーのスピード感はこれを超える品は多分出てこないんじゃないかと思えるレベル。
地球にはこういう登場人物がいて、銀河系にはこういう種族がいて、その中でこういうキャラがいて
一緒にいる可愛いペットみたいなベビードラゴンは実はこんな子などなど。
凄くスケールの大きな話であるのにも関わらず、ちゃんと遊ぶ人には理解が進んでいる。
レビューの言葉で書き示すのが難しいレベルで本当に不思議です。
普通に音楽が鳴っているかのように、「ボーカル入りの歌」がバックに流れているのも
衝撃でした。美しょゲでは重要場面で挿入歌があるのは定番ですが、普段から普通に
使われていて、たくさんあって、全部良かった。音楽と絵の溶け込み具合も文句のつけようがない。
多くいるキャラクターも非常に良かった。
イセザキ姉妹はもとより、ガルグイユ、ハクア、ワニのお父さんなどなど。
キャラに吹き込みしている声優さんのマッチングもずば抜けてぴったりです。
終盤に出てくる少しイカれたパンダグラフ先生が、やっぱり種崎さんという。この先生が
主人公の命運を握る重要な立ち回りなサブキャラだったところを熱演しているせいでよけいいい意味で
タチが悪い。存在感が薄かったのは市長くらいでしょうか。
ただただマルコが悲しい気持ちにならないように記憶を食べてしまって自分が弱っても虫歯がつらくても
最後の最後までマルコのために尽くそうとしたアルコの立ち回り、非常に難しい役どころ
だったと思います。吉田さん本当に素晴らしかった。
クライマックスシーン、これは数ある多くの泣きゲーシーンを蹴散らす名シーンです。
基本的に無表情ベースの性格からいろいろな感情を湧き上がるようなマルコの立ち回りも同様に
非常に難しかったと思います。井澤さん本当に素晴らしかった。
クライマックスシーンであれだけアルコに対して感情を爆発させるところ、凄かった。
あと、悪役ベースであれど、男性キャラの適材適所っぷりが目立っていました。
ラスボスのアスタロトは絶望的なラスボスでしたが、やっぱり究極進化したマルコは一枚上手でしたね。
ゲームっぽいアニメ、アニメっぽいゲーム、ちょうど半々といったところでしょうか。
Switch版だとお値段安く遊ぶことができるメリットはありますが、操作感が良くない、ところどころで
マシンの処理が追いついてないなどの若干苦しいところがあるので、何らかで別メディアで
もう一回味わうように遊んでみたいなと思える名作でした。