二股クズ野郎を許容できるかどうかにかかっている(盛大ネタバレ注意)
プロフィールに書いてあるとおり、自分自身ダメ主人公には耐性がありません。
どうにも判断ができないようなヘタレ主人公はシナリオをただ長引かせているというふうにしか捉えることができないし、ゲームのときくらい爽快感が欲しいと思うからです。(エロゲに爽快感なんて一致してませんが)
本作品の場合、いかに主人公を受け入れることが出来るかで評価が分かれます。
とあるキッカケで一目惚れしてずっとヒロインのことを追いかけ続けて長期間。
とあるキッカケでヒロインをお持ち帰りすることになり成り行きで交際がスタート。
ずっと追いかけ続けていた主人公のことを不審に思い一方的に交際がスタート。
というようなことでの交際成立。
お持ち帰りになるキッカケも、主人公の本意ではない。そしてメインヒロインとの交際も向こうからの一方的な意図によるもの。そんな成り行き上でのフタマタにどう立ち向かうかというもので流れていくのですが・・。
しかし、その前にみゃーことの壮絶な過去があったなど、文面で書き示すには難しいような
こじれにこじれた人間模様がどんどん明らかになっていきます。
お調子者でこの状況になったことを半ばあきらめつつ調子に乗っている主人公の姿があったり見ててストレスがたまるような場面も非常に多く、メインヒロインがとにかく一方的な自分の思考を押し付けてくるなど、この作品は主人公とメインヒロインに大半のヘイトがたまりそう。
そこで揺られながらも主人公をそっと支えるルイルイの存在感など、ヒロイン4人の中で非常に複雑な人間関係が絡んで凄く結ばれるまでの過程が見えてきません。
ただ、ストーリーが先に進むに連れて人間模様が見えてくるとなかなか面白いストーリーであると気づきます。
本意ではない形で進んでいく二股模様はなんとなく冬が舞台になったあの名作を思い出します。
文章の面白さは間違いなく一級品。読み応えがあって最後まで終わるのに長さを感じなかったです。
実はサブヒロインにもちょっとしたルートが隠されていたりもする。これは過去の作品に倣ってる。
恋愛借りのときのエンジェル枠の月ちゃんのような存在もこちらでもちゃんと存在したりなど、過去の作品を彷彿させるようなシチュエーションもたくさん準備されています。そして結構な割合で過去作とCVもかぶっていて、イラストが何となく前の作品のヒロインを思い出させるなど、ずっとアサプロ作品を遊んでいた自分にはますます楽しみ要素が増えました。
とにかく闇や黒歴史が多いヒロインばっかりで、普通に可愛いヒロインが煌だけという割り切った仕様。
それ以外は本当に一癖も二癖もあってなかなかすごい。それをねじ伏せるような魅力もたっぷりなのもなかなかすごい。CVも完璧。煌役の東雲さんじゃないとあそこまでの可愛さを出せなかった気がする。
ただ、みんな演技は素晴らしかったのですが2役ほど、ちょっとイラストと合ってなかった人がいた気がする。
そのへんは何となく遊んでいると気がつくとは思うのであとは言いませんが。
ヒロインの魅力と引き込まれる文章は間違いない。
あとはシチュエーションを受け入れて割り切って楽しめるならこの作品は非常にいいんじゃないかな。