全てがつながった奇跡の冬作品。
昨年の12月28日から意を決してプレイ。
朝に起きて寝るまでほぼぶっ続けでまる8日かかりました。本当に長かった。
普通通りの年末年始の休暇であれば、間に合いませんでした。仕事をしていたときにやっていたら、多分区切り目で苦しんで寝不足になる日が増えていて仕事に影響が出そうで危なかったです。
学生パート、大学パート、そして社会人パート。
全部のパートで一切手抜きはなし。穏やかなルートも一切なし。いろいろな意味で容赦のないルートはクリックを進める手を休ませてくれません。
ここまで一気に進めた作品は、「さくら、もゆ。」以来。あっちはもっと時間がかかった気はするけど、考えさせられ、理解をするのに非常に苦しんだのを覚えています。
これとは対象的に、いたってこの作品のメインステージはシンプルに「三角関係」というところ。
わかりやすい内容でなおかつ内容が奥深く容赦がない。
心の弱い人、主人公に感情移入しすぎる人、そして雪菜を放っておけない人にはオールクリアは相当辛い。
避けたほうがいいかもしれません。グランドエンドに行くまでに、少なくとも雪菜を「6回」振らないといけない。自分はそういう作品を経験済なので良かったですが、雪菜を好きになった人にはかなりの苦行になります。そのへんの覚悟が必要になるので要注意。学生パートで結ばれた、ごく自然すぎる流れで固すぎるつながりにピリオドを打たないといけません。とてつもなく良心を痛めつけてサブヒロインと結ばれなきゃいけない。これも当たり前の流れではあるのですが、抗体のない人には・・
そして、完全クリアするためには、一本道の学生パートの中に、「大学パートでエンディングを見た」あとに開放されるテキストが2つもあります。それを見ないときちんと物語がつながりません。攻略サイトを見ながらやることを推奨します。
シナリオ、音楽、CV、グラフィック全てにおいて満点です。
わかりやすくて現実味のありすぎる三角関係を軸に、そこに完璧に合わせてくる音楽、そして声。
恋愛というテーマをここまで深く切り込んで、綺麗に残酷に描いている作品には、おそらく巡り会えなさそう。
キャラクターと声がここまでぴったりな作品には、おそらく巡り会えなさそう。
シナリオ重視な作品は、Hシーンが剥離しているものが散見される中で、ここまで自然にキレイに組み合わせてきている作品には、おそらく巡り会えなさそう。
目立ちすぎているセンターヒロインの中に入るサブヒロインのシナリオには、軽薄なものも多い中で、この作品には手抜きが一切ない。心えぐられる小春ルート、最後の最後がドラマチックすぎる麻理さんルート、三角関係を知りすぎて天才的な自分にトランスさせすぎて破綻してしまった千晶ルート。他のゲームだったら充分メインキャラのルートとして成立するでしょう。個人的には麻理さんのルートが好きだったかなぁ。心理的にもやさしいし。
正直大学生編のボリュームがとてつもなく多かったので、ラストルートは短めなんて思っていましたが、全然違いました。5年間の総決算的なドラマチックすぎる三角関係が、こんな形で完結するなんて予想もしてませんでした。エンディングがまさかの4つ。BAD→浮気→かずさ→雪菜 この順序で進めていくのがおすすめです。
個人的には浮気ルートが一番壮絶でした。正直ここまで深く「過ちを犯す」ルートが深かったのが計算外すぎでした。多少モヤっとするところで始まる双方のメインヒロインルートに繋がっていく最高のifルート。
とにかく、雪菜ルートTrueは最後の最後にやりましょう。総決算なので。
これが完走できたら、音楽に浸りましょう。余韻に浸りましょう。
あまりにも名作すぎて、シナリオゲーにここまでのクオリティを求めると他のゲームができなくなるので、これの次に遊ぶゲームは趣の違うものにしましょう。
最低でも一週間以上、半日以上ぶっ続けで終わるかどうかの大作。時間と覚悟と勇気が必要ですが、終わったときの余韻はどれよりも大きい太鼓判。
冬休みを投げ打ってやって悔いはありません。ほかのLeaf作品をやると、余計名シーンが心に響きます。
これを遊ぶ前に、「Routes」をやることを猛烈に推奨します。
最高だった。