今年一番のノベルゲー
だいぶ前から積んでおりました。こういうダウンロード版が安くなって常に批評空間でランクインされる
名作はどうにも遊びだすタイミングを掴むのが難しいのですが、退院して療養期間にちょうどいいだろうということで初めてみました。
作品を始めるときに、いつもパッケージや登場人物欄などを見直しながらやるのですが、ここで先入観を持ってはいけないなと改めて気付かされました。4人のヒロインのうち、有佐が間違いなく可愛いというのは確約されていましたが、他の3人はどうだろうかなと。先にクリア順などを確認するのですが、案の定有佐は最後のお楽しみ。
そうなると、誰から初めていこうかなと考えます。ビジュアル的に夏帆かなぁと思いながら共通ルートを進めていると、その先入観が思いっきり打ち砕かれました。序盤から夏帆の可愛らしさが爆発する。3番目確定。
ほのかと那津どっち?と考えて無難なところで那津を一番最初にする。
結果的には、好みで選んじゃっていいかなとは思いました。4人のシナリオ、全てにおいて当たりハズレなし。
全てにおいて手に汗握る場面あり、感動する場面が散りばめられていて、余韻を残しながら最後のフィナーレまであっという間に到達。
ロケットにまつわる専門用語が凄まじいくらい用いられ、それが出てくるごとに「赤文字」でクリックすると意味が丁寧に解説される。
自分はそのへんの勉学を全く知らない文系人間でしたが、読んでいるうちに何となくわかるようになってきました。重ねていいところで大事な理解部分はちゃんと表に置き換えて丁寧な説明が行われる。サービス満点。
最高の作品には最高のサブキャラ有りなんていうのはすでに既定路線ですが、本作も最高でした。
ほのかルートで存在感を大きく発揮するおやっさん、有佐ルートで存在感を大きく発揮する親父。
全ての場面でほんのりと優しく見守る理事長、最後の最後まで大きな壁として立ちふさがるも、最後の最後に
最高の名場面を演出してくれるARCの部長などなど。
誰ルートが良かった、なんて書こうと思うのですが、本当に全てのルートが良くて決められない中で・・
1,夏帆とブランコに乗るシーン
2,ほのかとHなことをする都度に閃くふたり
3,最後の最後に親父とわかりあえたシーン
この辺あたりが印象深いかなぁ。なんか、名場面を振り返ってみると余韻に浸る時間がないというか、どんどん先に進みたくてたまらなくなります。感動するシーンは凄く多かったように思うのですが、一気に通り過ぎていって気づいたらグランドルートで感動の大洪水。
リリースされた年に出た「あおかな」と萌えゲーアワードでは僅差で及ばなかったようですが、両方とも遊んだ側から考えると、シナリオの深みや感動具合は明らかにこちらが上ですが、世界観のわかりやすさで言うと、あおかなのほうが上。リアルタイムの緊張感なども、やっぱりあおかなが上。仕方がないのかなと思いました。どちらにしてもリリースされた当時に出会っていたら、どれくらいの感動を同志と味わうことが出来たのだろうかなと。発売日に遊べた人たちは本当に幸せだったんじゃないかな。
ロケットのことを一欠片も知らない主人公がヒロインと触れ合うことで超絶奇跡をたぐり寄せてくるところが凄く痛快で爽快。前述しましたが、ほのかとHするたびに閃くところとか思いっきり笑いましたが、それにロケット工学を結びつける文面はまさに奇跡。そう考えるとやっぱりほのかルートが一番インパクト的には大きかったかなぁ。
接近していくごとにどんどん愛らしくてたまらなくなる夏帆ルートも匹敵するくらい脳みそが蕩けましたが。
有佐はツンデレキャラなんて書かれていますが、ツンが9割デレが1割といったところでしょうか。
個人的にはもっとHシーンでデレてほしかったようには思います。常に声を張って演技しないといけなかったところで、演じた方は大変だったのではないかなと。
ところで、CVは全て完璧だったように思いますが、一際夏帆役のあじ子さん、ほのか役の秋野さんが際立っていたかな。キャラクターに溶け込んでいて完璧具合が半端なかったです。物静かなキャラは少しずれると演技力は?みたいな形で誤解されがちですが、吹き飛ばす完璧さ、ヒロインとしては定番なところの甘えんぼでふんわりした年下キャラを演じきった完璧さ。是非個別ルートで堪能してほしいです。
ヒロインアフターも完備されているのは嬉しいポイント。Hシーンの数も申し分なく、入っていくまでの行程も自然でいい感じでした。
ロケット工学の知識があるに越したことはありませんが、なくても大丈夫。シナリオゲーで遊びたいという方に安心して一押しできる超名作です。積んでいる方はお早めに。