ウィル系では一番の点を付けました
ずーっと「お嬢様シリーズセット」を積み上げていて、黙ムコが終わっていて
いつこれをやるかでタイミングをずーっと損ねていたところで意を決してようやく開始。
アイドル二人→詩綾→七波→花
この順序が多分一番満喫できてちょうど良く伏線回収もできるはずです。順序はできる限りこちらを。
順序にも描いた通りなのですが、こちら、「アイドルルート」「財閥ルート」と大きく分けると
2つのルートがあります。珍しく共通ルートがあまり長くなくて結構な数の選択肢がある。
昨今選択肢があまり追求されないものが多い中ではむしろ新鮮味を感じられます。とてもいい。
そして共通ルートでも案外早めにオープニングソングが聴けます。
ただ、Ducaさんが思いっきりインパクトを残す「乙女シリーズ」よりも主題歌はあまり耳に残らない。
歌的なところを考えると「並」という評価しかできません。もっと強力なアーティストが飾ってくれれば
もっと印象深くなるというのに非常にそこだけが惜しかった。
シナリオ的には正直いって今までのウィルプラス系では最高得点をあげてもいいです。
乙女シリーズで一番良かったものを挙げてもこっちのほうが上であるとハッキリ言い切れる。
1,「ヒロイン」力が全てのキャラで強力
アイドルになる二人も、好感度が上がっていくに連れてどんどん主人公に懐いてくるところが可愛い。
音羽はプレイヤーによっては好ましくないキャラとして評価されそうな気がしないでもないですが、
物語の中で非常に重要な立ち位置にいる。きちんと主人公のいいところを見て判断ができるなど
いいところもちゃんとあります。
透夏の声が有栖川みや美さんのところも非常に良かった。ガチ歌手の青葉さんが演じる音羽にキチンとついていこうと頑張って演じているところが非常に好感が持てました。
個人的に乙女シリーズもお嬢様シリーズもこの人がいることでホッとする自分がいる。これがリリースされたころは調子もよく絶好調でよく声も出ていました。
七波の桐谷さんはコメントするまでもなく完璧。
そうなると、妹ポジションの花、七波と双璧の詩綾が・・ということになりますが、この二人を演じた方々も素晴らしい演技で最高でした。星咲さんはやっぱり「可愛い役」を演じるとピタリとハマりますね。この人が実は隠れセンターヒロインだったといってもあながち間違いではないのかもしれない。
そして、詩綾を演じた奏雨さん。「怪演」という表現が間違っているか正しいかどうか。それくらいピタリとハマって素晴らしかったです。キャラクターに合わせて高い声や低い声を出せる超絶演技パワーが炸裂していて、ヲタクでドMなところをモノともせず完璧でした。
ショウエイ役のかわしまりのさんは地声とキャラがあれだけピッタリすぎておかしいくらい。
正直なところ、キャラCVに全く持ってハズレがありません。これは滅多にないんじゃないかなと。
サブキャラでは、やっぱり鶴美役の一色さんがずば抜けていました。とんでもない秘密を隠したとんでもない能力の財閥令嬢を演じられたらぐうの音も出ない。クリアしたときに一番印象に残ったキャラとして挙げられるのは、もしかしたら鶴美かもしれない。
2,シナリオが読みやすくて完璧
前述したとおり、アイドルルートと財閥ルートが大きく2つある中で、どのキャラも「消化試合」にならず、全部ちゃんと見どころがある。
紆余曲折を経てキチンと実績を積み上げて人気を勝ち取るアイドルルートのヒロイン二人も凄く読後感が良い。
この二人を揺さぶる借金取りの「花岡」がもうちょっと暴れてくれれば面白かった気もするのですが、十分読み応えもありました。武道を嗜むからこそ透夏の声はよく通る。レッスンを重ねていけばきっと凄いアイドルになれる。
歌手として大成功を収めながら親の事情で地下アイドルとして活動していた音羽と二人の子どもたち。
全体的な世界観を覚えるにはちょうどいいルートで、ここまで力を入れることもなかった気もするのですが、本編に決して劣らないくらい非常に読み応えがありました。
そして、お嬢様と花が絡む「財閥ルート」
これはもう、非常にわかりやすい2つの財閥があって、片方が傾いて生きているほうが詩綾と詩音のほう、メインヒロインがいる七波のいる財閥は凋落して底辺まで堕ちていく。
それでも献身的に支える主人公と花兄妹が織りなすこのルートは本当に良く出来ていました。
なんとなく、七波の超絶能力はもしかしたら?とは思って見ていましたが、必ず絶体絶命のピンチが訪れたときに救いの手を差し伸べるのは七波。そして最後の最後で親子の絆を優しく包み込む花の存在感。
鶴美との対決は常に緊張感を伴うもので、マウスをクリックする手が止まらなくなることもしばしば。
主人公が優秀なのは言うまでもないのですが、周りにポンコツキャラがいなくて上をいくくらいの優秀な人達が多すぎるので、悪目立ちしないところも良かった。
全ルートを語るうえで欠かせないショウエイの存在感も非常に大きかった。あんな中性的なサブヒロイン誰でも惚れるんじゃね?ってくらい。
この子がいたからストーリーも引き締まった気がします。鶴美と並んで非常に大きな存在。
スケールの大きな話には難解話が伴いますが、本作は非常にわかりやすく記されていてストレスフリー。
きっと手に入れやすい価格で売っていると思うので、是非やってみてほしいです。