季節と作品を結びつけて最高の味わいが出る超傑作。
本当はクリスマス近くにやりたいと思って温めていましたが、ふとひょんなきっかけで
WHITE ALBUM2を遊ぶ話になってしまい、貯めてあった休暇が全てぶっ飛びましたｗ
いろいろと遊ぶ作品に脱線しているうちに春に近くなり、さすがに今年に遊んでおこうと思って
クリアしたら季節はもう春に迫ろうとしております。それでも、雪が残る地元で雰囲気は十分味わいながら
プレイすることができました。
良かったところ
１，ヒロイン全てのルートが秀逸？
サンタ３人のルートに全てハズレはありません。特にりりかルートは最後の最後で最高の見せ場がやってきます。熱血ストーリーに心から響いてしびれるような場面が散りばめられていて、クリックする手が止まらない。
ななみルートは由緒正しきサンタ一家の温かいお話。かわいいおばあちゃんの絵は最後に目にすることになりますが、やっぱりチャーミングなおばあちゃんのタッチは「ゆのはな」譲りですね。ほっこりします。
サンタ先生からの自立を目指して自分の心との戦いを描く硯ルートも非常に良かったです。
徐々に心を開いて可愛らしさを出してくるところとかすごく心情描写が的確で、心地よくストーリーを進めていくことができました。
ここで、サンタたちのルートを目一杯味わい深い演出にしていった最大の立役者は、サブキャラです。
この作品は本当に地元のキャラのクローズアップが濃い目で、サンタの相棒のトナカイ、サポートをする透、果てしなく頼もしいアルフレッド・キングほか。この人達がいてステキな世界がある。
個人的に最高すぎるサブキャラは、やっぱりベテルギウスを駆る「ジェラルド」ですね。
情熱的なイタリア人ながら、全てにおいて全ての周りの状況を把握して柔軟かつ大胆に物事を片付ける。
主人公に最高のアドバイスをする最高の兄貴分。CVの方の声は超絶かっこよくてぴったりです。
今のところジェラルドに匹敵するようなイケメンキャラは「大蔵衣遠」くらいかなー。
正直これ以上声とキャラ、主人公に対する優しさが溢れるキャラにはなかなか巡り会えないと思います。
クリアしてからしばらく経ってから起動すると、いいシーンの前にセーブをしていました。
それを見返すと、やっぱり心が温まる思いがします。エキサイティングな場面は心が奮えます。
こんなに何度も心惹かれるストーリーはめったにありません。
特別な想いが自分にとってあるものだと確認しました。１００点に修正しました。
いまいちだったところ
１，「きららルートの中だるみ」
サンタのルートでは一際かっこよかった主人公が一転してウブなヘタレに転がり落ちてしまいます。
結ばれるまでが非常に億劫。惰性で流れて好きになったきっかけというのも何となく曖昧。
お互いに両思いだったのに、そこで無駄な応酬が繰り返されどうにも中だるみしてしまう。
それでも、クライマックスのシーンは非常に良かった。憎まれ役だけだった婆さんのどれだけ街に対して愛情を注いでいたのかが痛感させられる。「クレイジーズ」の決して消えることのない絆。
２，「Hシーンのグラフィックが少なすぎ」
声のシーンは結構な量があったのにもかかわらず、Hが再開するときにもう一枚くらいはキャラ絵入れておいても良かったんじゃないかなぁ。テキストの量とCGが全くもってアンバランスすぎ。
昔の作品だからしょうがないといえばどうしようもないのですが、もっと増やせばもっとヒロインの魅力を引き出すことができたのではないかなと残念でなりません。あと、下着も結局同じ色で一枚っきりです。
最近はシーンの都度色が変わったりするヒロインは多いので、それも単調なグラフィックの原因の一つであると想定できます。
３，「有栖川みや美」さんの声が許せるか
子供っぽいキャラを演じることになったので、普段落ち着きのある声から若干意識して高い声で演じていらっしゃっています。これが明らかに好き嫌いが割れそうで怖いです。
口コミにもあった気がしますが、慣れていない人や、好きではない人には「ちょっと耳が疲れてしまう」懸念がどうしても拭えません。
私は乙女シリーズをプレイしてきてこの方の声なしでは語れない、ような調教された推し声優なので全くマイナス要素にはなりませんでしたが、今回はちょっと割れそうな気がする。
全てのヒロインのシナリオがいいのは良ゲーの証。
今年の１２月に冬ゲーのオススメを聞かれたときにはこれを推したい。
旧作であることを覚悟できるか、有栖川みや美さんの声を許容できるか、メインヒロインが貧乳でも許せるか、条件は多いですが自称「シナリオ勢」の人ならきっと楽しめるはずだと期待する。