果実を楽しめた人ならプレイ推奨
前作グリザイアの果実の続編に当たる本作。
果実ではヒロインそれぞれのトラウマを掘り下げそれを主人公が救済していく形でストーリーが進展していったが、それに対し本作はFDとしてそれぞれのヒロインのルートの後日談や攻略対象外キャラクター達のHシーン、更には果実では語られなかった主人公風見雄二の過去の話、おまけにショートショートストーリが収録されており、FDとしてのボリュームは十分。(まあフルプライスですけど)
雄二の過去編にあたる『カプリスの繭』では、主人公の幼少期から今に至るまでの過程を描いており、雄二が今までどのような親のもとに生まれ、誰に出会い、どのような影響を受けて今の雄二が誕生したのかがわかる内容になっている。しかし、何十年分の過去をひとつにまとめたためにある程度駆け足でシナリオは進み、イベントとイベントを繋げたような作りになっているのが少し残念ではあった。そのため過去の登場人物に、果実からのヒロイン達程親近感を抱く前に終わってしまった。しかし不満な点はそのくらいなもので、内容は面白かったし満足できるクオリティに仕上がってはいる。次回作『グリザイアの楽園』への引きも十分で、期待せざるを得ない。
次にFD的な部分について。
ヒロインそれぞれの後日談、アフタールートについては自分がこれまであまりファンディスクというものに触れて来なかったのであまり期待はしていなかった。ただちょっとだけヒロイン達と触れ合えればそれでいいとさえ考えていたのだが、こちらもなかなか面白くどのヒロインアフターも楽しめた。特にみちると由美子が個人的にはツボで、特にみちるのEDは綺麗に終わっておいてさらに落ちが「これぞグリザイア!」といった感じだったのでかなり気に入っている。楽園が出る前に果実からアフターまでもう一週やっておきたい。
SSシナリオについて。
これはライターのせいなのかなんなのかわからないが、面白い話と面白く無い話が3:7くらいの割合。果実の共通がとても楽しめた自分としてはこれはかなり残念。キャラにシモネタ言わせればいいってもんじゃねーのよ?
総評として、SS以外のクオリティは流石といったところ。ボリューム不足を嘆く声もよく聞くが前作に比べれば短いというだけで、そこらのフルプライスでこんぐらいのボリュームはざらじゃないかと。果実をプレイして気に入った方なら是非やっておくべき作品。ただし楽園まで付いて行く気がないなら辞めたほうがいいですね。