伝奇物としてのプロット、シナリオはさすが。ただ…
皆さん指摘されている通り、欠点もあります。
個人的に気になったのは以下の通り。
・主人公がダメ
まずオサのCVが致命的にダメ。ひとりだけ浮いている発声と言えばいいのか。
舞台女優的な発声で、普通の女の子という感じがしなかったです。ボイスOFFしました。
「~よ」とか、不自然に女言葉を使うのがさらに違和感に拍車をかけます。
性格も良くないし、前作の桂と違い、人としての魅力がないような。
負けず嫌いで頑固なのは伝わって来ましたが。
・薀蓄が多すぎる
用語集で「作者の意向により伝奇補正のかかった~」とか言ってる場合かと
思えるほどに各キャラクターがウンチクを語り過ぎ。不自然です。
もちろん興味深いし、作中テーマを掘り下げる役を買っているのは分かりますが。
・各ルート終盤あたりが雑
もっと情感を込められるはずのENDがいくつかあり、非常に勿体ないと感じました。
カヤ心中BADの悲しい美しさ、コハクとオヤスの邂逅からのBADとか。
TRUEもやはり、設定の壮大さに対してあっけない印象。
・BGMの使いまわし
前作アカイイトからの流用BGM。
良い部分もたくさんあります。
・Hal氏の絵
相変わらずの画力。
喜怒哀楽、険しい表情をきちんと描けているので安定感が違います。
時刻による色変化も自然。
・(オサを除く)CVの凄さ
キャスティングがとても合っており、特にコハク(かわしまりの)の怪演ぶりはさすが。
和尚、汀、ナミの声も良かったです。
・シナリオ
史実とフィクションの織り交ぜ方、展開のさせ方が〇。
これぞ伝奇という雰囲気を作り上げており、この点で麓川氏に匹敵する人は少ないでしょう。
ただ、スリリングさにおいても傑作だった前作には及ばず。
アカイイトの反省点なのか、主人公がバトルに絡みます。
・選択肢
きちんとフラグになっており、分岐していく。
~をしていなかったから~出来ない、という古典の解釈に通じる着地が心地いいです。
伝奇好きの方ならおすすめ。
百合要素は前作に比べ、薄めです。