シナリオ寄りの構成なのですが、本編が短い事の弊害として若干パワー不足に感じました。全体的には綺麗にまとまっているので、ロープライス作品としては優秀で満足度の高い作品だと思います。
一言に書いた通りで、題材と全体の構成自体は良かったので、ミドルプライスくらいのボリュームでじっくり掘り下げて欲しかったですね。
例えばOP/ED曲【君に花】は本作品のヒロイン優希の抱えていた心境や決意が歌詞に、曲調には切なさや儚さが込められており、涙腺を刺激する非常に良い曲なのですが、本編終盤までならまだしも、ED曲として流すのは少し違うと思います。(ロープライス作品なので仕方ないという事は承知しています)
他にも4人のそれなりに出番があるサブキャラ達に名前が無かったり、立ち絵が表情差分のみなので常に変なポーズで登場するのは笑ってしまいました。
シナリオに至ってはムービーシーンの語り手により展開が予想できてしまう点、優希の心境はしっかり描けていて全体的に綺麗なまとまりだったものの、プレイヤーに感動を伝えるには少々急ぎ足で感動が薄くなってしまったのが惜しいところでした。
全体としてのCGや演出は高い水準だったので、ロープライスにこれ以上求めるのは酷かもしれませんね。
本編終了時点では75or76点をつけようと思っていたのですが、アフターのエッチシーンが想像以上に良かったので加点となりました。
1シーンの基本CGはほとんどが破格の3枚構成(1シーンで3ラウンドまで)で、それがなんとアフターだけで5シーンもあり(計14枚)、更にヒロイン優希の純情な人柄とは裏腹にエッチシーンでは非常に積極的で淫猥になるというギャップも相まって実用性に長けた作品でした。
総評としては、力を入れているシナリオ部分がロープライスならではのテンポの良さにより若干力不足でしたが、CGも綺麗、OP/EDも隠れてしまってはいますが名曲で、エッチシーンも充実しており、ロープライス作品としては優秀な作品だと思います。