主人公を含むキャラクターの性格、魔女界などの舞台等、構造が良く出来ているが故に後一歩の踏み込みが欲しかった作品、ただそれを差し引いても十分な良作です。
この作品、本当に構造はしっかり出来ています
まず、学園編でパティシエなにゃんこ同様の日常描写でヒロインへの感情移入を高めた上、ヒーローの救う世界として魔女界が提示される。
魔女界編では各ヒロインのそれぞれしか知らないはずの事情を用いながら同じ時間をループさせるという構造を用いて世界観、ヒロインの真実に迫っていく(このループはパンドラの夢、PIZZICATO POLKAで使われています)。
そして最後にループの全てを踏まえたうえで最後の戦いに挑む。
上記のような構造がある上、
主人公にヒーローになりたいという明確な動機
各ヒロインに
クルル 魔女界の光
雀宮林檎 主人公の過去
春日かれん 魔女界の現在
委員長 魔女界の闇
と明らかにすべき事情がしっかりと設定されていたからです。
しかし、大風呂敷を広げすぎたのではっきりいって畳めていません、例えば
主人公がヒーローとしての成長の描写が弱い(これがあるだけでかなり爽快感が違った)
ヒロインが4人いるのにループが2回(林檎、かれんはおまけ扱い)
魔女界での中心である光と闇の概念を筆頭に明らかにされていない伏線が多すぎる
など・・明らかに投げっぱなしで終わってしまっています。
ただ、元々長い作品なのにこれ以上長くするとさらに収拾がつかなくなる?、光と闇を語りだすと作品の方向性が変わりすぎる?、のでこれくらいが限界なのでしょうが、「この壁を突き抜けた真の名作を見てみたい」そう思わせるだけのものがあったので少し残念です。
最後にどうでもいいぼやきを
「魔女服でのHは無いのですか、そうですか・・・・」