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DaylightさんのPrismRhythm -プリズムリズム-の長文感想

ユーザー
Daylight
ゲーム
PrismRhythm -プリズムリズム-
ブランド
Lump of Sugar
得点
86
参照数
837

一言コメント

癒しに傾倒したのはいいが、傾きすぎるぞ!

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

失恋したバカ野郎が癒しを求めてやってみました。
以下評価です。(満点5.0,普通3.0、倍率は各分野の比率調整です。) 

☆シナリオ・テキスト 3.6 ×6
他の作品と違い、スパンがかなり長い作品です。
主人公1年生4月をOPとし、9月から本編、途中(12月付近?)にミルレイス・スノー祭、ファイナルの4月がアルガロ・デ・モンド祭で〆、後日談となるわけですが。途中の経過がバンバン飛ばされているような気がします。
設定が常春なので季節感がなく、あまり気にならない人もいますが、時系列をつぶさに見て行くと、
ほぼ全員においてアルガロ祭は「選ばれました!」→「おめでとう!・がんばろう!」→「そして当日…」となり、プレイ時間が増えるの覚悟でもっと途中を書いた方がいいのでは。特にリアなどは「選ばれました!」→「2年後…」ですからね、1年生のところの本人踊ってるところカット。
共通・個別問わずいつの間にか何週間か経っていて(特に個別の方はバンバン過ぎて行った)、せめてもっと気付かせない配慮を…

それに追加して、EXの存在理由が謎に満ちている。あれでキャロラインさんが妖精である…ということはかろうじて分かりますが、それ以外「妖精とは何だったのか」「キャロラインさんはどう言う人だったのか・エルスの実の姉なのか」などの疑問が噴出しました。
誰か教えてー!
各4ルートのまとめをEXができればよかったんですがね(true扱いなら)、どちらかといえばFD的要素が強すぎるEXでした。

☆グラフィック 4.5 ×4
背景も美しいことながら、キャラも綺麗に書けてます。
スプリングスノーの演出もすごいし。
あとはユナハ先生の鼻血グラの多さに吹いた。

☆キャラクター 3.9 ×3
個性的すぎるというのが第一印象。うまくキャラの特性をシナリオは活かせてますが、もっと活かせる気もする。
京司がうまい主人公の友人ポジションを持っているのもすばらしいかな?

☆サウンド 4.5 ×4
Lumpのミュジッカーは鬼か!
以下気に行ったのを羅列すると、
「prismrhythm」「穏やかな朝の流れ「海へと繋がる青」
「水路のある町の風景」「水に映る月影」「二人の幸せな旋律」
「水のように澄んだ心で」「夕暮れに響く波音」「水と樹のプリズム」
「大樹に感謝の祭りを」「のんびり自分のペースで」「船は水に揺られて」
「幸せに包まれた時間」「暖かい喜びの涙」「学院を支える人々」
「pure my voices」
キャラクターソングが声あり・なしに関わらずふるわなかったのが少し残念。

☆エロシーン 3.1 ×4
…なんというか…特に何もなし?

☆付加補正 ++
+癒しを狙いに行き、音楽・シナリオとも純愛コースできっちり達成できている。
+選択肢が多すぎず、少なすぎず、難しすぎず、易しすぎず。
+ステッチさんがうまいところをついています。
+学園としての設定がきっちりしている。
ーーEXの存在。

Lumpは音楽・絵がいいのにシナリオをもうちょっと良くするともう一歩抜き出せるのではないでしょうか。
という訳でダイヤミック・デイズに期待。