人生は前にしか進まない
どうにも独りよがりな感が否めなかった絶対幸せ宣言っ!を仕立て直したといえる作品
「自分とは何かとか小便くさいことを考える時間が長いのは日本の神さまがそれに答えてくれないから」とはれーこの祖母コウメさんの台詞
「自分を好きになりましょうよ」というのが七烏未氏のゲームのテーマかと思います
確固たる寄る辺がなくて不安定だから中々自分を認められない日本人的思春期
しかし今の自分を認めない(られない)のは口では否定しつつもまだ自分は変われるんじゃないかという希望が残ってる証でもあり・・・
何をするにも結果を考えてしまって動けなくなり、やりたいことができないれーこ
一方たいして悩みも後悔もしないポジティブで割り切りのいいなおたにもそれはそれで悩みがあったり
お互いを補完しあえる2人はとても相性がよかったけれど…
なおたの「ずっと応援してるから」が泣ける
れーこやいちよと思考回路がそっくりな自分としてはれーこが「人が堕ちるのは何故か、這い上がるためよ」と啖呵を切ったときはなんだか嬉しかった
個人的に分かるような分かんないようなごちゃごちゃした話はいらない気がしたけど、まぁラストシーンがよかったからいいかな
長い橋の真ん中に立ってるれーこがいいですね
「ふたつめ、みっつめがある。だから初恋なんだ」って感じでしょうか
エロシーンは結構多目なもののサブキャラのHシーンを見るのは難易度高すぎる
尺は短いけどプレイはなんか妙に濃かったり
ポジティブワンと理真の尻が肉感的でえろい
サブキャラのエロはやはりもうちょっと尺が欲しかったかな
声はみなさん熱演
プレイ後に聴くと妙にしんみり聞こえる電波ソングもよかった
中盤どうしてもダレるのがもったいない。誤字もちょっと多目。途中の戦闘が飛ばせれば90点
追記:
付属のサントラを聞いてたらなんかまたやりたくなっていちよルートと最終話を再プレイ
改めて読み直すとわけわかんない文章ですね…
もし万が一最後まで読んでくれた方とかいたらなんか申し訳ない気分です
かといって全部書き直すのもあれなので横着して追記
ネガゼロの各所の感想を読んでみると「青臭い」というレビューが多い
たしかに七烏未さんの過去作StarTRainや絶対幸せ宣言っ!は間違いなく青臭いし二作と通じるところは多々あるのだが、
ネガゼロではどういうわけか「青臭い」という言葉は僕の中では浮かんでこなかった
青臭い物語とはつまり割り算が苦手な若者が悩んで苦しんで「足掻く」様に青臭さを感じるのだと思う
だがネガゼロのハッピーエンドは足掻くのを諦めた先にある
絶対幸せ宣言はヒーローへの憧れをまだどこかに残した主人公と世界を絶対に幸せにしてみせますと意気込むヒロイン(彩)の話だったが、
その幸せは相対的に人に具わっていて「何か」で実現できるはずという宗教的な盲目さを持つものだった(彩の裏返しのようなキャラクターであるいちよの「いっそ宗教にでもはまれば楽になれるんだろうか。でも私がはまるとすれば新興宗教のたぐいだろうな」というセリフにも現れているように思う)
しかしネガゼロの幸せはご都合主義のぬるま湯から引っ張り出されてしまう
自分を変えようとしたって変えれない。どうにもならないことだってある。過去に戻れるように時間の矢はできてない
じゃあもう諦めて受け入れるしかないんじゃないか。ダメな自分や嫌な現実を手枷と足枷にしてそれでも歩くという生き方
この前向きな諦めの先にこそ七烏未奏が探していた自己肯定と幸せがあるのではないか
『浮雲』『過去のない男』から『街のあかり』にたどり着いたアキ・カウリスマキを思わせる
そして生きにくさを受け入れ、それでも世界と自分を「祝福」したいというれーこに、あーやっぱ青臭ぇなぁと僕は思うのである