要素盛り盛り、悪く言えば中途半端。
<メタフィクションとして>
エロゲを遊んでいるときに、選択肢を前にしてウンウン唸ってしまうことはないだろうか。
ゲームの中でだけ許される無限の思考時間。それを「ハイパーハイスピード」という能力で表現するのは非常に興味深い。
またセーブ&ロードを「ラグナロク」として、別ルートの記憶の保持を「悪魔図書館」としてメタ的に描く試みも評価に値する。
<キャラゲーとして>
攻略可能キャラが10人もいる。みんなかわいい。
ただHシーン数はそれぞれ1~2個なのでアッサリ風味になってしまっていた。
<シナリオゲーとして>
理想の世界を実現するためにタイムリープを繰り返し、最後は自身を犠牲にすることでそれを勝ち得た(と思われる)。
だが全体的に描写不足というか、消化不良感が否めない出来になっていた。
<総評>
話としてはご都合っぽさがあり、穴ぼこも少なくないが、トータルとしてはそこまで悪くない。
他人に勧めるほどの作品ではないが、プレイ体験としてはまずまずといったところだろう。