可愛いキャラクター。心情を理解するのに十分に繊細な心理描写。とても、とても可愛くて美しいアートワーク。シナリオは王道。
総合点 77
可愛いキャラクター。心情を理解するのに十分に繊細な心理描写。とても、とても可愛くて美しいアートワーク。
特筆すべきはイラストの素晴らしさ。今までやってきたゲームでは見たことのないタイプの塗り（今風？pixiv風？）
きらきらしていて、柔らかくて、夢みたいに可愛くて、なのに実在感もあるこの素晴らしい絵がこのゲームの評価を引っ張っているのは間違いない。
可愛いだけじゃなくて表現力も優れていて、笑ったり照れたり慌てたり落ち込んだり不安になったりとキャラクターの色々な表情に惹かれる。
キャラクター
『自分の感情を隠さずに表現する真っ直ぐで押しの強い明るい髪の女の子』ｘ『クールでおとなしめ、すぐに感情を出すよりも思案するタイプの女の子』という定番の組み合わせ。
レンは押しが強いくせに繊細で傷つきやすいところがあったり、あくるはオタ活に関しては冷静さを失う熱量溢れる夢女子だったりと単なる定番の枠には収まらない個性もある。
レン：ギャルっ子（といってもだらしないところや軽いところもなく一途で可愛い、好きなものを大切にする女の子（ｂｙ公式ラジオでのキャスト談））喋り方も固くないだけで過度にくだけてはいなくて、ギャルキャラが好きじゃない俺でも素直に好きになれた。
とても素直で真っ直ぐで可愛い女の子。美麗なCGの貢献もあってマジで超絶美少女。イラストレーターぐっじょぶ！
あくる：三次元には男にも女にも興味なく、ひたすらに二次元の推しキャラを追いかける女の子。一人のキャラに没頭するタイプ。推しはそれなりの期間で移り変わっていく。レンに出逢ってからリアルの人を好きになる大変さに振り回される。
ストーリーは公式サイトでも謳ってるように誰もが楽しめる、明るくて楽しいドタバタラブコメディ。基本的にあくるレンそしてあくるの友達のシノの３人で話は回っていく。
レンが押しかけてきてからのドタバタの日々やあくるのオタ活、それにヤキモチを焼くレンの日々をコメディタッチで描きつつレンに戸惑いながらも惹かれていくあくるの心情が描かれる。
シリアスはシナリオの山場の部分で二度ほどあるのだがそこまで辛い展開にはならずにハラハラしつつもリラックスして読み進められる。
王道、悪く言えば先の読める展開ながら随所に心を打つようなテキストがあったのでいい印象を持っている。
レン「あたし、あくるが好き。あくるがあたしのことを好きじゃなくても」
あくる「うん、知ってる」
レン「だけど、あくるの中にあたしが全部いなくなっちゃうのはやだよ」
シナリオの一つの山場でのこの会話とか
「レン……ここにいてよ」
レンがいなくなってことに苦しむあくるのこの独白とか
レンがあくるに涙ながら言った言葉。自分という存在を好きな人の心のどこかに置いておいて欲しいという健気な言葉。
あくるがレンのいない部屋でレンの不在を同じ言葉で嘆くのがエモかった。心がレンでいっぱいなのにそのレンがここにいない。
ただ二度のシリアスで同じような展開／手法が使われているのがマイナス点。それまで居て当たり前に思っていた相手がいなくなってその大切さに気づくというのはお約束なのだが二度続けるものではない。二度目にあくるが自分から動いたという点で意味はあるのだが、違う何かが見たかったかな。
といっても全体的にはミドルボリュームでコメディ基調に良く纏まったシナリオでそこくらいしか不満点はない。
Exシナリオはサービス満載＋本編では物足りなかったあくる→レンの愛情表現がたっぷりで二人の今後を祝福したくなる嬉しい内容だった。これがなくてはこの物語は完成されない。