何度プレイしても飽きないSLGの傑作。
<概要>
主人公は混血竜のブラッド。
ブラッドには婚約者がいたのだが、その女性が失踪してしまい、
竜族長老達の審議により、代わりに竜族最強と謳われる女性を
結婚相手に指定されてしまったからさぁ大変!
彼女は大変気が短く、巣が気に入られなかったら命は無い?!
ブラッドの命を賭けた巣作りが始まる!!
<世界観>
神族、魔族、竜族の存在する世界。
竜族のパワーバランスは大きく女性竜に傾いており、
男性竜は年頃になると、女性竜を迎え入れる為の巣を作る。
巣が小さかったり財宝が少なかったりして女性竜に気に入られなかった場合、
結婚は破談。最悪、殺される場合もある。
<ゲーム内容>
竜を危険視したり、名声を得ようとする人間達は、
ブラッドを討伐する為、巣に侵入して来ます。
それら人間達を返り討ちにしたり、罠で捕らえたりする事で
お金や捕虜を得る事ができます。
その他にも、近隣の村等を強襲し貢物や生贄を手に入れる事もできます。
それらを元手に巣を増築、部隊強化等していくのが基本的な流れです。
巣作り以外の、もう一つ重要な要素。それが夜の生活練習。
プライドの高い女性竜は、みずからHの練習などしません。
ゆえに、男性竜が女性竜の為に練習し、
女性竜をリードできるようにならねばいけないのです。
捕らえた捕虜を相手にHの練習をしましょう。
<シナリオ>
生贄の少女、竜討伐に来た剣士、巣を領土に持つ国の王女の3人がヒロイン。
ブラッドと相対し、触れ合いの中でブラッドに畏敬を抱き、
次第に愛し合うようになっていく。
世界設定やキャラ設定がしっかり立っている為か、
どの少女のシナリオも格好良く、小気味良い仕上がり。
何度も見て内容知り尽くしているのに、もう一度見たくなる魅力がある。
<グラフィック>
ヒロインは初期状態で3人と少な目だが、
CGは綺麗で原画もとても可愛らしく、文句の無い出来。
強いて言えば、一人当たりの枚数がやや少な目なのが欠点と言えば欠点か。
<サウンド>
声優のレベルは高く、サンプリングのミス等も無かったように思う。
BGMも小気味良い出来で、繰り返し聞いていても不快には思わない。
<システム>
このゲームの真骨頂、それがシステム。
・巣作りについて
巣は10個のパーツに分割されており、
パーツ毎に増築・改築する事で、自在に作り変える事ができる。
位置毎に作れる物が数種類用意されており、
それらの組み合わせで様々なバリエーションを楽しめる。
・戦闘について
侵入してくる人間を撃退する為の魔物は
巣に常駐する魔族の商人から買う事ができる。
その魔物を自分で作った巣に配置する事で、人間を撃退し財宝を防衛する。
魔物にはLvとスキルがあり、人間と戦い勝利するたびに
Lvが上がりスキルを覚え、強くなってゆく。
・繰り返しプレイについて
このゲームは、繰り返しプレイする事を前提に作られています。
エンディングを迎えるたびに、それまで育成してきた魔物を
次のプレイ開始時に継承する事ができるので、
魔物の育成は決して無駄にはなりません。
特定の条件を達成する事で、スタート条件も緩和されるので
繰り返しプレイするたびに、ゲームを進めるのが楽になるのです。
プレイ一周目では、このゲームの楽しさの20%も体験できないでしょう。
自由に動けるようになるのは3周目くらいからなので
最初きつくても、めげずにプレイを続ける事が重要。
巣作りドラゴンは、繰り返せば繰り返すほど味の出るゲームなのです。
<総評>
どの部門も高い水準でまとまったキャラの傑作だが、
なんと言ってもこのゲームの素晴らしさは、やりこみ度の高さにある。
細部にまで渡るパラメータコントロールの緻密さは驚嘆もの。
それに、今までに無い「巣作り」の斬新さと、
その自由度はユーザーを飽きさせない。
ネタバレに抵触するので詳しくは書かないが様々な隠し要素があり、
普通にプレイしていただけでは気付かないような所にまで
開発者の手が込んでおり、こういった心意気が
キャラファンの心を掴んで離さないのであろう。
欲を言えば、巣の最大面積はもっと広くて良かったと思うし、
魔物の種類も2倍くらい欲しかった。
Lv上限は255くらいあっても良いと思うし、
敵の強さもSSS程度まであっても良かったと思う。
まぁゲームバランスやプログラム制御の関係で限界だったのでしょうけど
次に同システム系で作品作る際は、難易度上限を上げて欲しいですね。
村を強襲、人間の撃退、捕虜、生贄など、物騒な単語が多数出てくるが、
ゲームの雰囲気は妙にほのぼのしており、残虐さなどカケラも感じない。
むしろブラッドとその周りの人々は、和気藹々な家族のような生活をしている。
殺伐とした暗い話は嫌いという方にも安心してお勧めできる。
作業プレイと言うと一般的にはネガティブな印象を持たれがちだが、
このゲームは「作業を楽しむ」事が出来る所が凄いと思う。
発売して数年経つが、ふとしたきっかけで今でもたまにプレイしたくなる。
キャラの過去作品は希少で、今から入手するのは難しいかもしれないが
機会があったら是非プレイしてもらいたいSLGの傑作である。