空、青春、グライダー ソアリング部が舞台の瑞々しい青春部活ストーリー
グライダーを飛ばすというソアリング部を舞台にした青春ストーリー。
何十年に1度しか発生しない気候現象「モーニンググローリー」、通称「雲の回廊」をグライダーで飛ぼうというのが、本ストーリーの主軸になっています。
早速余談ですが、某動画サイトでモーニンググローリーの映像を見たところ、確かにこれはと唸る絶景でした。
今作の素晴らしいところは、日頃聞き慣れない「モーニンググローリー」を目指すという行為・目的を、自然とプレーヤーに共有させてしまう点かと思います。少なくとも自分はそうでした。
多少途中で話がダレても、いざフライトシーンとなると、ふいに背筋を正したくなる。その際の、演出も音楽も雰囲気も非常に効果的(各要素が最高に良かったというわけではなく、あくまで文字通り効果的)で、その点においての素晴らしさは十分評価されて然るべきものだったと思います。
さて、体験版の出来の良さが故に、製品版ストーリーが腰砕けになるのではと個人的に懸念していたのですが、体験版レベルは保てないまでも、一定ラインはクリアしたまま話の結末まで作られていました。グライダー製作の部分はもっと描写があっても良かったかなとは思いますが、ここは個人の好みによる部分なので、描写の多かった体験版と上手くバランスを取ったのでしょう。
全体的に良く出来ていたかと思いますが、どの要素にもハナマルをつけにくいというか、いまいちパンチが足りないというか・・・小鳥ルートは名作に近いものを感じましたが、個人的にはあと一歩超えてほしい部分に届かなかった良作という感じでした。
蛇足ですが、サブキャラクターの良さは男女問わず素晴らしかったです。