シナリオをよく読むと、ある意味でSMの根本理念が分かる。
純粋的なSMが性愛行為であり、犯罪ではないということを物語る珍しいゲーム。
その根本には「異常な性愛行為を引き起こす心理は本人の隠した本性の暴露であって、それが当人同士の信頼があった上で、一致したときのみ成功しうるもの」というごくあたりまえのことで作られたゲーム。
特にバットエンドや主人公の親たちの言動等はそれが失敗したときの惨めさを物語っている。
現在のSMゲームの大部分が、信頼なき暴虐の押し付けを続けていけばそれが情愛に変わりうるなどというフザケた前提に立っていることからすれば、よほど真実味があるゲームと言ってよい。
数年前のゲームであり画質やシステムは現在のものとは数段劣ってしまうことは事実であるが、vista上でも動く。主人公に一体という観点ではなく、外から見た性愛行為の事実(当然この種のゲームをする自分も含めて)を見直すには結構勉強になる。