昨今の同人エロRPGでは珍しいストーリーゲー、ジャンルで言うなら燃えゲー。誤解を恐れずに例えるならランスシリーズにほんの少しだけ似ている。ストーリーは基本勧善懲悪のテンプレだが、本当に見せ方が上手い。希望と絶望の緩急の付け方が巧みでいつの間にか手に汗を握るほど主人公たちに感情移入してしまう。ただ、所々展開が無理矢理だったり、基本王道なのに邪道な部分もあったり、評価が分かれそうな部分もある。だから、良作と名作で人によって意見が分かれるかも。それでも、自分にとっては間違いなく名作。主人公デスポリュカが好きすぎる。本当に大好き。(長文は雑感)
(前作やってない人の感想です)
クリアしたばかりで興奮も冷めやらぬ頃は、間違いなく名作だと思っていたが時間を置いてみると、欠点も見えてくる。他人に勧められるかで言えば、良作で85点だが、それでも個人的には90点。どうしてかと考えるとやっぱりデスポリュカが好きだから。
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理知的なようで感情的で、目標達成のためならしたたかで狡猾で、リーダーシップを持っているが常に悩み続けていて、とても親しみやすくて、凡人と比較にならない程の屈強な精神を持つが、その実は脆く、本当は心優しいのに誰も傷つけたくないのに、業を背負いながらも、世界征服を目指すそんなデスポリュカが大好きです。
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ボクっ娘のデスポリュカが可愛すぎる。作中で一番可愛いよ、あの汐らしい立ち絵で喋られたら、リリィじゃなくても護りたくなる。妖精さんとも少し性格が違うし、普段デスポリュカとして頑張っている反動でああなるんでしょうか。
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デスポリュカとリリィの関係が尊い。百合は自分の性癖じゃないけど、本当に尊い。二人が幸せなら、全てが許せる。結婚式場に乱入するのもリリィで良かった。正直、リリィは作者も思い入れがあって、実質ヒロインの扱いだと思います。時を超えて繋がる絆って使い古された関係性ですが、妖精さんとお姫様の過去編の描写が短いのに心に焼き付いて、二人には未来永劫幸せになってほしいと思ってしまう。
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EDは評価が分かれるようで、確かに分類するならビターエンド。皆でもう二度とご飯が食べれないかと思うと心が痛む。ただ、ノンフィクションの世界を見ていても人種や宗教が違うだけで戦争するし、WW2からまだ百年も立っていない、本当に薄氷のような平和だと思う。ましてや、デモンズルーツの世界は人類と魔族がいるし、皆仲良しなんてそれこそ一瞬の夢物語。ブレスカースに関わらず、RPGのラスボスの言い分は正論だと思うし、理想論でラスボス倒してハッピーエンドでも良いけど、非情な現実を突きつけるEDもありじゃないだろうか。逆に中途半端に救いの要素を入れるのが合わないって人もいると思う。デスポリュカと救世主が相打ちでも良かったと思う。子孫が生きていて、魔族に生き残りがいて、許されるとかご都合主義だろって言われたら反論できない。ただ、今作のテーマは「許すこと」だと思っているので、あの終わり方はベストなんじゃないかと思う。前作との辻褄合わせも合ったとは思うけど、前作やっていないのでわかりません。
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リリィに殺されるか選択する場面は心が震えたし、デスポリュカが使徒として覚醒する場面は燃えたし、デスポリュカが皇帝に敗北して、外伝が始まった時は頭が真っ白になった。EDで物語がこれで終わることが惜しくて、もっとこの世界とキャラに浸りたいと思いました。こんなに感情移入したゲームは久しぶりです。製作者には感謝しかないです。