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BANGBANGさんの戦極姫4 ~争覇百計、花守る誓い~の長文感想

ユーザー
BANGBANG
ゲーム
戦極姫4 ~争覇百計、花守る誓い~
ブランド
げーせん18
得点
80
参照数
3971

一言コメント

3からは個人的に鉄板なこの戦極姫シリーズ、4で良くなったものや満足できなかったもの...etc

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

システム面は基本は3の遊戯強化版を加えたシステムの改良版。
3でも1や2に比べ遊び易くなっていましたが今回はそれをさらに改良されてます。
特に武将に会うコマンドで個別シナリオを進める為に何度も何度も一言会話を聞かなければならなかったのが
今作では1度聞いたら次に進めるという点。私としてはこれが今回で最大の改良部分。
他にも敵武将の鹵獲、何故今までこれが出来なかったのかという点も追加されています。

ただ基盤となる部分が天下統一のままなのでこのシリーズを追ってきた身としてマンネリ気味と言えます。
BGMも背景も過去作の使い回しが多いですし、川や草原の背景は三極姫シリーズに出てきたのもあります。
合戦の仕様変更、海戦の追加といった細かい変化ではなくそろそろある程度大きな変化が欲しいところです。
乳揺れとかもうそういうどうでもいいのはいいですから。

また正確に数えてはいないのですが公式によるとユニーク武将の数は前作の3は110人以上に対し今作は100人とのこと。
数字上ほとんど差がないように見えますが、実はこの差が非常に大きくユニークからモブキャラ落ちした武将が大変多く感じられます。
これが最も顕著なのが竜造寺家。当主も四天王も直茂を除く全てがモブキャラになっており、過去作やった人間ならまず戸惑うでしょう。
1からずっと続いていた信常エリや円城寺胤を史実通りの人名にして欲しいと思っていましたがここでまさかモブ武将にされるとは…
前作及び2移植版で竜造寺はヒロインルートだったのだからせめてユニーク武将として留めていて欲しかったと思います。
他にも信行、義守、経久、宗麟、元就、玄以、三好三人衆etc...
消えた武将、モブ落ちした武将を挙げれば切りがないですが3で消えて4で再び登場した成実や勝家や利家、2仕様の男に戻された佐竹家の二人のように今後の復活に期待します。
ただ目に見えてキャラが減った分、武将一人当たりの個別シナリオは長くなっており、以前よりやや濃いめに描写されていました。
北条などは早雲、氏康、氏政の3人分がひとつのシナリオとなっていてかなりボリュームが増えていたので
ユニーク武将数が減った点に関してはデメリットだけでなく少なからずメリットもありました。

以下シナリオに関して

徳川家
4最大の売りと思える1580年代以降を舞台としたこのルート。
今まではひとつの大名家の中だけで話が進んで完結していたのに対し
このルートでは羽柴勢を始め複数の大名が絡んでくるので戦極姫としては非常に新鮮に感じられます。
ただSLG部分で殆ど侵攻できるルートが決まってしまうのが難点。
三極姫でもそうですがこの侵攻が限られるのは自由度が狭められるので改善して欲しいですが
シナリオ上で絡んでくる勢力が既に滅ぼされていた場合色々と不備が起こり整合性がとれなくなり難しいのでしょうね。

伊達家
個人的に今作で最も良かったのが伊達家
今まで伊達家はルートそのものがなかったり、あってもシナリオが酷かったりと
どうにもこのシリーズで不遇な扱いを受けており、長い雌伏の時を経ていた伊達家が4でようやく恵まれましたよ。
良直は立ち絵すらないモブキャラの左月という老将とし若い武将達を諫める位置として出ていましたが
史実通り討ち死にし前作よりもキャラが立っていて面白いです。
輝宗も貴久とはまた違った方向で良い父親キャラをしていました。

島津家
安定の島津、いつもの島津
とはいえ、さすがにもう飽きてきました。
颯馬が才能を見出され軍師として仕官、4姉妹をハーレムにして貴久に嫉妬されるという話。てかこれもう前に一回やりましたよね?
姉妹の弟に豊久が加わっているものの基本的な流れが3と全く同じです。
毎回軽い感じのハーレム展開が島津家の良いところなのかもしれませんが
次回もまた似たような展開だったらそろそろ島津家は大名ルートとして必要ないかもというのが正直な感想。
しかし何故ここにきて弟として豊久?無理やり出してきた感じがしますが某漫画の影響ですか?

武田家
今回は真田家が独立している為、武田家なのに幸村が一切絡んできません。
3では非常に影薄かったので構わないのですがそろそろまた2のようなヒロインとして見たいです。
信廉は3ほどその存在を気負っておらず健気さが減った気がします。
むしろ信玄の方が武田の為、信廉の為と私が気負っていましたがまぁ何にしても明るい信廉が見れてよかったです。
上杉家との合戦はあれだけシナリオで引っ張っておきながら越後占領後に何のイベントすらなかったのは完全に肩透かし。
絶対謙信とのイベントがあるだろうと思っていましたが滅ぼしてから何もなく、以降誰も上杉家の話なんてしません。
あそこは戦後処理なり何らかのイベントは入れるべきではないのでしょうかね。

足利家
綺麗な義輝様
足利家といえばどうにも3の陵辱ルートの印象が強かったのですが
今回は暗殺事件から一人で旅をし見聞を広めてきたこともあり人間ができています。驚いた。
その義輝を将軍にするか義昭を将軍にするかでルート分岐しますが
義昭のルートは感情を押し殺していた子供から将軍へ至るまでの成長物語として楽しめます。


今回から戦国後期の武将も増えましたがそれでもやはり初期~中期の武将が多くを占めていましたので
今後は今回の徳川家のように1580年代~の時代を移したルートを増やし、いつもの1550年代のルートも3並の数を完備という両立が個人的理想ではあります。
複数勢力のイベント、消えた武将達の復活、織田家ルートの復活、羽柴ルートの追加、三極姫2の武将個別Endの追加など...
書けば他にも色々と要望が出てきますが回を重ねるごとに確実に良い方向に進化してるシリーズなので次回作にも期待します。