プレイを延期してたことをお詫び致します
姉ゲーの極地と言っても過言ではない面白さだった!
もちろんこのブランド特有の“ありそうな”業界ネタも健在で、処女作『恋課金』から――いや、もっと前の『人気声優のつくりかた』から追ってきた身から言えば、ひとつの作品世界が御統に閉じた満足感が完走しきった私のココロを貫いたのだった・・・
実姉の椎馬さやかに拉致同然で連れてこられた彼女の職場、それは我らが性人の供給元たるエロゲ会社だった。そこでみんなの弟・雅史は、エロゲ開発現場という色彩溢れる非日常で揉まれに揉まれながらも、新米ディレクターとして己の“好き”を晒しつつ性徴を手にしてゆく。
ヒロインが全員オモシロ可愛かったな。
花梨さんは幼なじみの姉として大人の余裕をチラつかせ、未来もそんな姉に嫉妬を交えながら仄かに想う雅史と共に冥府の番人の一員として奮闘していき、健気で初心な少女を見せつけてくれた。
愛さんは凄腕グラフィッカーだが自称コミュ障。けれど雅史のアドバイス云々を経て、実の弟の相手ような態度から一人の男として意識してゆく過程は大変可愛げのあるお姉さんだった。
千紗さんはおっとり頼れるオトナのお姉さんかと思いきや、私生活がドダメカンタービレな残念ゲンガー――影踏みならぬ足の踏み場が・・・な部屋で、こりゃ雅史でなくても「どーにかしてやるかこのお姉さん」って思うわ。
上記全員を寝かし付けた先に開かれる大奥。相手は実の姉であるさやか。雅史のメイドスキーな性癖は姉のエロゲ棚から生まれた。責任感が強く、イレ込むと文字通り寝食を忘れる性格の姉を過去一度介護し、エロゲ会社で共に働いていく内に・・・相姦関係を結ぶ――ふぅ
過去作と同一世界観なので『恋課金』『同ドルさん』『エロゲ屋さん』のキャラも入り乱れてくるのはご愛嬌。けれども、過去キャラに胡座をかかず今作の魅力を描ききったのはお見事の一言に尽きるだろう。(あとさ、何で静乃のボイスないんだよ!立ち絵も殆どセピア色なんですけど!ちゃんとクラスに存在してるよね彼女?ったく前作の最オシの扱いよ・・・あと莉央もだけど、こっちは近況が繋がってるの判ったから許したる)
ソシャゲ・アイドル・エロゲ屋・開発元・・・と来れば後は流通の内情も色に乗せて描いて欲しい所だが、流石に手が出せない、出したくないフィールドなんかなと邪推する。
最後に、この作品世界を引っ張って来てくれた†闇騎士†へいっそうの感謝を贈りたい。鳴瀬拓人こそSonoraブランドの世界を支えた勇者――いやダークナイトと言っても過言ではないのだから。