ハナからシナリオにゃ期待してなかったが……
初ゆず。
四季ナツメ目当てで購入。途中から栞那も気になりだした、が!
――『死神の蝶』いる?
まぁ主人公・高嶺昂晴が陰キャだとか童貞云々は、くどかったけど属性の一つとしてはアリだった。自他共のアピがくどかったけど。
彼が何故キセキを起こせたのか、どうして神が危険視するほど魂が強いのかは栞那√で明らかになるのだが、そこまでプレイしていってもどうも私には今一歩納得ができなかった。
ハナシは理解できるのだが、そこまで物語の根幹に据えるモノだとは思えなかったのだ。
その流れで栞那が消えるやら、すぐ戻ってくるやらは最早些事に過ぎない。
シリアス展開をやりたいのは判るが、あまりにも説得力に欠ける描写は水を差す結果に――なっちまいまいしたねぇ。
イチャラブは流石の老舗って感じで楽しめたのだが、ネ?
――『喫茶ステラ』体制大丈夫?
ナツメの夢である喫茶店経営に、いちゃもん言いたかぁないが……ド蝶――否、ド超ブラックじゃん!文字通り従業員の血と汗でコーヒー淹れてんのアソコ⁉まぁ角張るリアリティも過ぎれば陳腐に落ちるんだけど、よく回ってるべあの客足で!最初に女子をターゲットに絞って正解だったな。男子だったら回転率ヤバイことになって蝶を集めて斬る!はずの場所が逆に増量させる結果になってたわ。リア充どころか高嶺昂晴の魂、狂化されまくって神本腰入れる処だったろう。
――『四季ナツメと幼年期~絵画からの開窓』
実 質 メ イ ン な四季ナツメちゃんの話をしよう。
『孤高の撃墜王』と呼ばれ、良い意味で男子連中の話題に上がる彼女。陽キャや語尾にウェイを付ける人種を毛嫌いつつ誰とでも適度な距離感を保ち、その間合いはさながら武術の達人の域――その正体は病弱S系ヒロインでした。
ファーストインパクトで自身の株価を土に還した昂晴は、彼女の幼少からの病気・それからくる人付き合いの慣れなさ――さながら甲殻類が如き【外はカッチリ。内は・・・】を打ち破り念願のリア充になった。
いいね!普通に話してるだけなのにいつの間にか意識してしまう乙女心!もう、無意識に最初のバーで誘ってたよね?
初日の出キスは、文字通り陰キャ・高嶺昂晴が望む、リア充への記念すべき第一歩――初“陽”の出となった。
そこから病気を理由にこれ以上の関係を避けるナツメ。
だが倒れて運ばれた病院で思い返す。これまでの喫茶ステラは彼――高嶺昂晴あってのものだったと。彼への感謝から過去へ意識を飛ばし、今までの諦め慣れてしまったワタシ――その間合いへ平気で踏み込んでくる高嶺昂晴への思いを肯定する。
――王を撃ち落とした日
そこからは、ブラックコーヒーに7本もシュガーをぶち込む程の甘々~アンアンしながら物語は進む。
ある日、昂晴はナツメ入院中に出会った少女・染井志津華がナツメの入院仲間だったのを知り、かつての友達を喫茶ステラへ招く・・・同窓会っぽいのを密かに企画する。
結果は大成功。
サプライズ嫌いなナツメは口先では文句を垂れたが、満更ではなく・・・。
(私も大満足だったんだが、彼らの立ち絵やら肝心の絵画CGやらが欲しかった。そういう細かい補間が作品世界に深みを与えるんだが)
UIは文句なし!
バックジャンプすらないブランドもある中、お気に入りボイスは勿論、フローチャートすらある様は業界屈指だろう、他社も見習ってくれ。
総括
もともとナツメ目的で買った作品だったので、買ってよかったとは思ってる。
ただ上でも言ったが、もう少しメインの“死神”部分どうにかできかったんか。シナリオ特化ブランドではないにしろ、だ。
まぁ現状数少ない大手ブランドで、エロゲで肝心のエロでは文句の付けようのない出来なんで、次回作以降も(シナリオは王道で良いので)頑張ってほしいもんだ。