初ensembleさんだったけど…
純愛系のブランドさんと思って初めて手を出してみましたが、ちょっと予想を裏切られた部分がありました。たぶん、この作品がたまたまだったのかなーとは思うのですが…
まず他の方も言ってますが、短いです。色んな意味でこれが一番目立ちました。
絵は文句無く良いし、声優さんも素晴らしい。キャラクターはテンプレと言うか王道って感じのキャラが集まってるし、これは良いキャラゲーの予感、と期待したのですが、如何せんシナリオが短すぎました。
構成的に実質、共通を飛ばして個別に入ります。なので、ほぼ全ヒロイン何故主人公を好きなのか分からないし、逆も非常に薄いです。けど、これは少なからず他のゲームでもあることなので、そっからのイチャラブやキャラの魅力の掘り下げ、日常感や掛け合い、シナリオ自体の魅力などで引き込んでくれるゲームもあるのでそこを期待していたのですが、あっという間に終わってしまった感じ…
一言で言うと惜しいですね。これだけ良い絵と声とキャラがあれば、ブランドやライターさんによっては確実に今年屈指の萌えゲーになった気がするし、短いのが悲しいと感じてしまいました。
けど、他の方の点数をチラッと見た感じ、予想より高かったです。やはり、絵とブランド力は偉大なのかとかちょっと思ったりしましたが、自分が初ensembleだからそう感じているのかも?
シナリオの長さ云々はたしかに好みもあるかと思うのですが、長くても夢中で読めるものもあるし、どうしても中だるみを感じるならスキップする権利、全キャラクリアをしない権利的なものはユーザー側にあると思っています。
もちろん、中だるみするくらいならほど良い長さでまとめて欲しいという意見も分かるので、そこはライターさんの腕などで大きく左右されるし、ちゃんとキャラや物語を表現できる最低限の尺さえあれば点数に大きく反映させるタイプではないつもりです。
しかし、今作はあまりに短すぎた。ぶっちゃけるとフルプライスなのが問題ってだけだと思います。シナリオの尺で値段を下げれば解決する話なんだと思います。安ければユーザーさんも納得する方は増えると思うし、値段で買う際のボリュームに対する一つの判断材料にもなると思いますしね(元々そういうものだと思うし、簡単でないのは分かりますが)。
単品の料理とコース料理が同じ値段ってのが問題なのかなと。少なくても、自分は客観的に今作がこの尺、内容の質で他のゲームと同等、もしくは秀でてるようには思えませんでした。
以下、ネタバレ含みますが中身の感想など。
まず、キャラは大体のキャラ可愛かったです。良いキャラなのに妹がなんであんなに短いんだ~!!
そしてシナリオ、短いので本当に最低限でまとめてます。たぶんコンセプトなんでしょうけど、ほぼ全ヒロイン主人公と何故か一緒に住むような形になります。その理由とか話の流れとか細かいところにツッコミ出すとあれなので、そこはキャラゲーだから割り切れる方前提ですが、そっから告白とかもあっさりでそのままHしちゃって、話をざっくり進めながらHシーンを消化して終わる~って感じでした。
なので、簡単に言っちゃうとほぼ全ヒロイン話の中身だけ替えて、流れの使いまわし感がしてしまった。個々に理由を上手く表現できていれば、それでもよかったと思うんですけど、1キャラ、2キャラやった後だと、「あ、またこの展開になるんだろうな」って感がしてしまいました。
可愛い女の子とイチャイチャできるんだから細かいことは(ry的な精神を持ってプレイした方が楽しめると思います。
その中で良くも悪くも期待を裏切ってくるヒロイン…そう主人公のお隣の優しいお姉さん、由希江さんです!
正直、このヒロインは笑いました。色々と自分の予想から斜め上のヒロインでした。
以下、由希江さんについてかなりネタバレしてますが、誹謗中傷の意図はないのでご容赦くださいませ。
話として一番真面目な感じで、統合する学園の生徒会長などの問題を取り扱うのですが、最初に問題となる選挙をどうするか、と言う真面目な問題を提起した直後に全裸でバスタオル姿を見せてくれるサービスっぷり。そしてセカンドOP(実質普通のOP)へと。
次のシーンに移り、主人公の家に来る流れになるんですけど、その直前にまたもバスタオル姿を披露してくれるという。この時点でうっかり説もさすがに苦しい見せつけっぷりです。
そして主人公の部屋で一緒に作業をしながら、なんやかんやあって主人公の前でもバスタオル姿を披露してくれるエッチなお姉さん路線どころか痴女スレスレ?っぷりで攻めてくる由希江さんに、さすがの主人公君もいい加減にして欲しいと言うものの、わざとじゃないと由希江さんにはぐらかされます。
そしてその流れでベッドに引き込まれる主人公君。バスタオルはハラリ。ここは秋野花さんの普段とちょっと違う落ち着いたお姉さん的ボイスと合わさって小悪魔感は上手く出ていると思いました。
ここで沙織が登場し、なんやかんやで上手く誤魔化した後、由希江さんは自分が特別じゃなかったのかと思い(この部分自体は可愛いものの、由希江さんが何故自分が特別だと感じたのかがさっぱり分からなかった)、誘惑攻撃を一時中断するのです。
しかし、主人公君は由希江さんのことを魅力的な女性だと告げます。そんなことを言われれば水を得た魚も同然。見せるのは主人公君だけよと、次の朝には生着替えをご披露してくれます。そしてデートに行こうよと誘われ、当然の如くランジェリーを選ばされるお約束の流れから、ユーザーの予想の斜め上を行くのが由希江さん。
お店の中で主人公にだけ見えるように胸元を広げてノーブラの胸を見せ、そこにはおっぱいに口紅で「るっく あっと みー」の文字です。さすがにこれは笑いました。ライターの思惑通りかと思います、はい。
人前で主人公にだけ胸を晒し、加えて「るっく あっと みー」をおっぱいに仕込むこの用意周到さ…!帰り道には主人公君が選んだ下着を思い出して私でオナニーしてねと言って来る選挙運動…!
あれ、俺はいつから抜きゲーをプレイしていたんだろうと思った方はきっと自分だけじゃないはず。
そして翌日。本筋の生徒会の話など真面目なもの交えながら進み、今日は一緒に帰れないのかと残念がる由希江さん。帰ったら郵便受けを覗いてねと言われ、言われたとおり見てみるとそこにはDVDが。再生してみると主人公が選んだ下着でオナニーを自撮りしてる由希江さんの姿が…!その姿に興奮し、主人公君もオナニーを始め、盛り上がってきた瞬間――クローゼットの中から由希江さん登場!ここも爆笑しました。由希江さんの思考回路はどうやら私には理解できないようです。
他のヒロインが普通の純愛的な内容だったので、由希江さんもそうだと思っていた自分の予想を斜め上どころではない裏切りっぷりのシナリオは賛否はともかく攻めの姿勢が凄いなと素直に思いました。
そして、ここまでされた主人公君はついにキレます。まあ、当然の反応だと思います。一部の属性の方以外はバカにされてるように感じるでしょうし、なし崩しで既成事実の積み重ね~との下りもその通りだと思います。
マジギレする主人公君に由希江さんもさすがに慌てて謝ります。このシーン自体は良かったと思いました。自分に弱みを見せてくれる主人公が嬉しくて可愛い。しかし、その所為で主人公のプライドみたいなものを傷つけてしまったと。
Hな自分が一人で盛り上がってるのが嫌で、主人公君にも求めて欲しかったと言われます。ここで主人公君は、思わず天井を仰いで、以下本文から抜粋。
なにが、もっときちんとしたいだ。
なにが、いつかは告白するつもりだ。
なし崩しは嫌だ、俺の気持ちがお笑いになる、いったいなにを言ってたんだ?
由希江さんの気持ちをまったくわかってなかっただけじゃないか!
と、ついに覚醒をします。
ここは真面目なところなのか、笑うところなのか非常に困りました。バスタオル姿→オナニー動画→主人公の部屋に無断で侵入からのクローゼットからの飛び出し。
こんな由希江さんの気持ちを分かられた方は恐らく相当少ないかと予想されます。
そんなこんなでついに?由希江さん待望のHシーンへ。処女なのに凄いです。他のヒロインとHシーンの扱いがまるで違います。主人公君も由希江さんに合わせてエロレベルが他のルートとまるで違う。初エッチからハメ撮りと言うさすが覚醒している二人。パンピーな私の予想を常に裏切ってくれます。
そして覚醒した二人にもはや敵は居ません。次の日の夕方には真面目な話をしていた生徒会室で人が居なくなったら目隠しH。真面目な話もこの二人にかかればエロのスパイスです。
翌日、また真面目な本筋の話が終わり、日が暮れると由希江さんはローターを装備して一緒に帰路に着くことになります。主人公君もどんどんノリノリです。完全に種割れですね。そのまま公園の茂みで限界まで致しちゃいます。さすが種割れ、他のルートと違って絶倫具合の次元が違います。
帰り道には甘えながらお互いにもうオナニーはしない、溜めて溜めてお互いで発散しましょうと言う仲です。
そしてまた本筋の真面目な話に戻り、数日が経過したことになります。過労で倒れた主人公君の話を聞きつけて、由希江さんは大急ぎですっ飛んできます。開口早々、主人公君無しでは生きていけないと大真面目に言います。ごめんなさい、ここも笑ってしまいました。
付き合って数日で生きていけないと言う台詞もそうだし、その理由が自分のエッチに合う人が居ないって言うのがさすがに堪え切れなかった。しかも、主人公が過労で倒れた原因が由希江さんとのエッチのしすぎとか、主人公も言ってるのでライターさんも狙ってのことだし、たぶん笑うところで合ってると思います。
そんなこんなで次のシーンには真面目な本筋の話もさっくり解決し、エピローグでもちゃんとHシーンを用意しているというお隣の優しいお姉さん、ならぬお隣のエロエロなお姉さんっぷり。
一番真面目な題材を扱っているはずなのに、思い返してぶっちゃけ本筋の話を思い出せないほどのエロエロっぷりは予想していたかは相当少ないのではないかと思います。
複数ヒロインで、違う路線のヒロインを入れる自体は別にありだと思う派なのですけど、正直、由希江さんは自分にはあまり合いませんでした。けど、純愛ゲーでここまでぶっとんだヒロインってそんなに記憶にないかも。一人だけ抜きゲーのヒロインみたいな感じって言うのかな?
お堅いヒロインが自分にだけはエロいとか、誘惑系お姉さんとか、素材は別に悪くなかったと思うし、必死に謝ってるシーンとか、いくつかは良いなと思うシーンもあったけど、そんな一般人向けのヒロインは書きません!ってことなんでしょうかね?合う人に向けて用意されたキャラでありシナリオなのかと思います、たぶん。
由希江さんの印象が強烈過ぎて大分長くなってしまった感がしますが…客観的に見たつもりですが、あくまで個人の感想なのでご容赦を。いずれにしても攻めてるなーと感じるルートでした。
総括すると、タイトルが恋する気持ちのかさねかた、だったので、互いに恋に到るまでの過程や恋が重なる部分にについて掘り下げてくれるのかな~と思ってたらそうではなく、由希江さんみたいなシナリオも一種の恋でしょう?みたいなことなのでしょうか?
トータルを極力客観的に見て、あまり言い出来とは思えなかったです。やはり一番のネックは短さ。シナリオなりキャラの魅力なりイチャラブなり本気で書いてくれれば、きっと皆さんの評価ももっと良かったのではないかなーと思っています。
点数的には絵と声とキャラの素材自体は良かったので、このくらいかなーと。ぶっちゃけ、絵と声がダメ(同人とか)ならこの点数にもならなかった気がします。特に絵は素晴らしいと思ったので、ギリギリ準佳作くらいの気持ちです。
初ensembleの自分としては、これは人に勧める感じではないかな~ってのが率直な感想です。繰り返しになりますが、せめてミドルプライスくらいなら~ですかね。