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Andemon_LV7さんのハミダシクリエイティブRe:Re:callの長文感想

ユーザー
Andemon_LV7
ゲーム
ハミダシクリエイティブRe:Re:call
ブランド
まどそふと
得点
83
参照数
215

一言コメント

立派にヒロインしてました。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

あの一癖も二癖もある莉々子さんが、しっかりとヒロインに仕上げられていました。
もんぺや少女漫画、地元スキーな部分で莉々子さんの魅力を表現してから、後半の生徒会戦に挑む構成にすることで、キツイ性格ゆえの衝突は避けずに描きつつも、読み手に不快感を抱かせないよう意識していたように感じます。
正直プレイ前は莉々子さん然程関心が無く、旧ヒロイン達を見るために買ったようなものだったのですが、ちゃんと好きにさせられました。

シナリオ前半、口八丁で莉々子さんと仲良くなっていくところは非常にハラハラしました。とくに漫画の褒め方。
一つ対応を間違えれば、莉々子さんにトラウマを植え付けるような結末になっていたと思います。よくあんな穏便に付き合うところまでもっていけたものです。
逆に、初回のHシーンの主人公のやらかしは擁護しようが無かったですね。中に出すのは当然ダメとして、その前の無知な少女を言いくるめるところも。ねえ、皆さんもそう思いますよねえ?

あいも変わらず重さを漂わせるひよりんも見どころでした。なんたって今回の妃愛さん、莉々子さんに対して欠片も素を晒す気配がありませんでしたし。
あすみルートや詩桜先輩ルートでは姑として楽しくやれそうな未来が垣間見えましたが……今回は望み薄でしょう。メンタルケアの機会があるとすれば、いずれ生まれるであろう甥っ子姪っ子とのふれあいくらいでしょうか。
錦さんは出番こそ少なかったですが、芯の強さが垣間見えるシーンがいくつもあり、楽しめました。
華乃はシンポジウムで辛酸を舐めさせられた不登校代表として、後半のシナリオを良い具合に刺激してくれました。
詩桜先輩の株価上昇は言うまでもないでしょう。だいたいあの人が解決してくれました。
アメリは……何も無かったね……何も因縁無いもんね……。

今回のシナリオは、莉々子さんに『ハミダシ』要素が少ない分、『クリエイティブ』の要素を拾っていたシーンが印象に残っています。
他キャラのルート(錦さんは除く)はわりと『ハミダシ』重視なシナリオだったので、地味に新鮮でした。
下手でも創り続ける意味はある、そう思えるお話でした。

好きキャラ順
妃愛>あすみ>詩桜>莉々子>華乃>アメリ