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Andemon_LV7さんのハミダシクリエイティブ凸の長文感想

ユーザー
Andemon_LV7
ゲーム
ハミダシクリエイティブ凸
ブランド
まどそふと
得点
86
参照数
147

一言コメント

ひよりん愛おしいよひよりん。詩桜先輩ルートは至高。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

 先に全体的な不満点を箇条書きで。
・新キャラ二人の必要性をあまり感じなかった。特にいいなちゃんじゃない方はキャラの株上げすら足りていなく、「ひよりんが友達認定出来る相手」のハードルが無駄に低く感じられてしまった。
・新キャラ二人もゆっこちゃんも、あらゆる女がこぞって主人公に脈がある雰囲気になるのが気色悪い。まあこれは今更ではあるけども。

 『クリエイティブ』要素について
「(あすみルートを除いて)クリエイティブ要素の話がもっと欲しかった」とは無印クリア後の私の感想ですが、今回は詩桜先輩ルートで見ることが出来ました。逆に他のヒロイン、特に無印の積み重ねの無いアメリはもう少し読モ魂を見せて欲しかったです。
ひよりんは特に顕著で、声優関係の描写は完全に捨てていました。仕事に真摯なのは伝わってきますが、実情を見られないのは物寂しいです。


次に各ルートについて。

 詩桜先輩ルート
無印から一転、あまりの完成度の高さに驚きました。勿論無印が未完だったのはありますが、その補完だけでは終わりませんでした。
詩桜先輩の小説家としての姿も深堀りし、生徒会を通じて成長した姿も描き(しかも、根っこの部分を曲げず自然な形で)、トモすけや妃愛の見せ場もあり……非の打ち所がありませんでした。
詩桜先輩ならいつか、堅牢な姑妃愛の心の壁を完全に壊すことも出来るでしょう。

 華乃ルート
引き続きピンク担当。仕事と両立してやっていく立派な面も見られました。
思えば他のどのキャラクターよりも、クリエイターとしては華乃が一番完成していたように思います。一番プロ意識を感じられるキャラでした。
それ故に、クリエイティブな話の深掘りは難しかったのかもしれません。業界内のお話はたくさん聞かせてもらえましたが、クリエイターとしての成長的な意味で。
そして恐らく、一番ひよりんの今後が心配になるルートでもありました。兄には笑顔を見せながら自立しようと足掻く姿は大変萌えました。人知れず曇る姿を想像すると…たまりませんね。錦さんと二人で幸せになってほしいです。

アメリルートは無難に健気可愛い感じで、あまり書くこと無いので省略。好みの違う二人がお互いの「好き」を理解しようとする様子が、なんかいいないいなって思いました。

 あすみルート
無印でだいぶやりきった感のある彼女。vよりは作曲方面で話が進行していました。挿入歌最高でした。
また、彼女の理想の相手であろうとするトモすけが男前に見えてしまいました。ホワイトクリスマスとか錦さんの視点でプレイしていましたもの。
このルートに限らず、トモすけの"頑張り方"が付き合う彼女との関係性によって違うところが、プレイしていて飽きさせないなぁと思います。

 ひよりルート
相も変わらず愛くるしい妹。大変ニヤニヤさせていただきました。他のルートで様々な曇り方を見せてきた分、夢が叶って良かったねという気持ちでいっぱいです。また、兄妹と恋人の狭間でおセンチになる二人がシナリオの湿度を高めていて◎でした。
メインイベントである誕生日のお返し手紙朗読はとてもジンときました。こういうのが良いんですよこういうのが。トモすけの「~幸せな未来の全てを送りたかったんだ」というカッチョイイ決め台詞もビシッと決まっていましたしね。
そして。あの完全武装ウーマンだったひよりんが心の壁を壊して、自分の世界を広げようとする展開。ハミダシクリエイティブの最後を締めくくる話として、とてもしっくりきました。
思えば最初は主人公が壁を壊すところから始まった物語でした。生徒会も引き継いで、よくぞここまで辿り着いたと保護者目線な心持ちです。
ところで、正直詩桜先輩辺りは兄妹の恋愛感情に勘付いていそうですがどうなのでしょう。

好きキャラ順
妃愛>あすみ>詩桜>華乃>アメリ
好きシナリオ順
詩桜>妃愛>あすみ>華乃≧アメリ