雰囲気が良く、キャラの成長を楽しめる良作
エロゲ特有の寒いギャグが少なく（前市長除く）、また主人公が好感の持てるイケメンマジメガネ君だったので、全体的な雰囲気の良さがお気に入りです。BGMの良さも、雰囲気作りと盛り上がりに大きく貢献していました。
話は氷室先輩ルートが一番好きです。一貫して氷室先輩の成長物語として構成されていて、とても読後感が良かったです。蜘蛛関連の話はあまり進展しませんでしたが、この氷室先輩なら解決出来るんじゃ、と思わせるだけの説得力がありました。また、本作全体に言えますが家族愛の描写が上手く、涙を誘われました。
キャラでは最終的に羽矢が推しになりました。蜘蛛と因縁があり、TRUEでも良い見せ場があったため、後半になるにつれてより好きになっていきました。最後は色々な感情を押し殺したあじ秋刀魚さんの演技が決め手でした。
天童さんは一番顔が良くて聖母でした。ただ、能力的にも精神的にもあまりに完璧超人で、人間味が薄いところが気になりました。TRUEで市長をマインドブレイクする辺りは結構恐怖でした。
本作は、ミステリー要素にあっと驚かされるような箇所は多くはなかったです。しかしどのルートも、事件を通じてのキャラの成長だとか、愛の深さだとかのシナリオが味わい深く、そういった部分に一番魅力を感じました。それ系の話が大好きな私としては、名作判定をあげるレベルで良い作品でした。
以下気になった点
・無許可で女性に香水をぶっかける深瀬君サイテー。
・ぽっと出秘書さんが天童さん並にチート。露骨なお助けユニット感。せめて生存して欲しかった。
・義姉さん蜘蛛化の決め手が流石に強引すぎ。偶然を複数個重ねるのは良くないと思います。
・ピンチ展開のために、梓先生が度々無能になる。
好感度ランキング
初見
優衣＞＞羽矢＞千歳＞梓＞透子
本編クリア後
羽矢＞ 優衣＞千歳＞＞透子＞梓