「可愛くて可愛くて仕方がなくて、とにかく大事にしたくなってしまうヒロイン」というヒロイン像をうまく表現した、この価格帯では破格の出来の作品なのではないでしょうか。良くも悪くも設定を丁寧になぞり切ったに過ぎない展開の、抜き目的重視のゲームではあると思うのですが。確実に、その設定に惹かれた方には、その期待に応えてくれる、そんなゲームになっているのではないかと思います。長文部分では以上のことを引き延ばして描いているにすぎないので、スルーしていただいても大丈夫です。
本当にかわいくてかわいくて、愛おしくて仕方なくなってしまう「いい子」とのお話だったように思います。
確かに短い価格帯の作品といえばそれまでの、設定をなぞって順当に描き切ったに過ぎないといってしまえるような展開・分量ではあるのですが。
設定と端的な場面展開だけで、しっかりと星名ちゃんという存在が、主人公にとって、「昔よく遊んだ、いまは可愛い女の子」になっているかということを描写し切って、読み手にしっかりとイメージを植え付けているものだから。その後の展開の一つ一つ、ただそれだけで、主人公が星名ちゃんを愛おしく感じるというその感情の生まれる理由を、しっかりと理解することができるようになっていて。
そのうえで、しっかりとしたエッチシーンも準備されているものだから、余計に、ちょっとおどおどしているけれど、内心は好奇心旺盛でアクティブなこの子が、とっても愛おしくなってしまう。いつの間にか星名ちゃんという女の子が可愛くて可愛くて、仕方がなくなってしまう。
そんなお話に、しっかりと仕上がっていたのだと思います。低価格帯としてはよくできているのではないでしょうか。
エッチシーンも、星名ちゃんの設定にもしっかりと配慮した、流れのあるシーンの連続となっていて。その見てくれだけじゃなしに、「かわいい女の子」であると星名ちゃんを読み手が受け入れることができるように展開していくものですから、単純なシーン以上の破壊力があったと思います。シーンの数もこの価格帯・方向性で考えれば十分な数があったといえますし、エロゲ的にはノーマルなシーンばかりながらも、読み手の股間にはしっかりと訴えかけてくるように仕上がっていたのではないかと思います。
星名ちゃんのおっぱいの大きさに反して、その話の振れ幅自体は非常になだらかで起伏がなくて、どうしてこんな女の子になったのか、とかそういうところにはあまり踏み込んではいなかった点は、お話としては気になるところかもしれないですが、そんなことは「後になって思い返してみれば」という程度の、些細なことに過ぎない。そう言い切ってしまえるような、短いながらも、丁寧なお話になっていたのではないでしょうか。
このメーカーのこのシリーズ？をプレイするのは初めてなので、何とも言えない部分があるのですが。
あの立ち絵さえもなかった、「見てくれはいいものの、私生活がダメダメ」と評されてしまっている、残念な主人公の姉妹。この２人に、主人公とのちょっとエッチなイベントが発生しちゃうとか、立ち絵が登場しちゃうとか。そんな展開がこの先にある（あくまで、星名ちゃんを正妻に据えた、という展開になることが前提といえば前提なのですが）のであれば、ぼくは間違いなくこのシリーズを信じてしまうと思う。
それくらいには、主人公と星名ちゃんとを取り囲む、短いながらも味のあるこの世界観が、ボクは好きになってしまいました。
今後の展開があるのかはわかりませんが、あることを信じたいと思っています。
とにかく、短いながらも、しっかりと楽しむことが出来ました。ありがとうございました。