とりあえず、前時代の人たちの出番はここまで、ということを示した作品になるんじゃないかと。シリーズの関連作品として多数の作品が世に出る中で、ユーザーが一度は感じた疑問。そのうちの、「今解決できるもの」を、このヒロインたちのアフターストーリーに絡ませて、とりあえず解決させた、という立ち位置が一番しっくりくる気がします。いろいろ思うところはありますが、楽しく読めるお話ではあったので、先の展開を待つばかりです。Ⅱ,Ⅲの関連作品をすべて終わらせたうえで、はじめて取り掛かれる作品になると思うので、シリーズプレイ予定の方は現状は最後に取っておいてください。長文部分はただのメモです。
D.C.Ⅲ Dream days
→あんまり細かいことは考えたくないけど、始めましょうか。
白い壁を乗り越えて(美琴) 73
→タイトルと、このヒロインに関する隠れてないに等しいような謎、そして参加する2のヒロイン。ここから導かれる話としては、なんとなく予想はつきそうな話ではあるけれど……
※まぁ、みんなわかってたよね? でも、さっきも書いた通り、そうすると、この「白い壁」っていうタイトルが、うまいなぁと思わされてしまって、憎らしいわけだ()。
※そしてなっつかしいBGMだこと……
※この話で、また杉並の存在がややっこしいことになったなぁ……なんであの辺と面識あるねん、この人。
◎いやぁ…………単純に、いい!!
→3の中では割と分かり切っていた「謎」の話ではあったけれど。そのあたりをうまく、今まで何気に使ってこなかった過去作の設定をも活用して作り切ってくれていたのは、素直に好印象。
ようやく「美琴」っていう登場人物を少しは知ることができたかな、と、そう思うことができる気にさせてくれたのも、よかったかなと思います。
私が手に入れたモノ(雪村すもも) 75+1
→情報が少ないだけに、話の先が予測できない()
※末端の末端ではあるけれど、一時期文章を書いて過ごしていた身としては、思わず首を傾けたくなってしまった。書くのが止まるのって、本当に書きたいことが明確であればあるほど、起こってしまうんだよね……
毎度記しているこのメモに、感想を付するときもまた、そうなってしまう><
○芝居がかかったこのノリこそ、「雪村!」って感じがする(
◎「受け入れてもらうのを前提に書く必要はないんじゃないかしら?」
「え……?」
珍しく雪村が、目をまんまるにして驚きを露わにしていた。
「仮に、それを他人が見て、『ご都合主義だ!』『脚本の都合だ!』って思ったとしても……」
「貴女自身の答えを書くのが正解」
「だって、それを誰かに伝えたくて、この物語を書こうと思ったハズだから」
→この感覚にどちらかといえば親和的な私なので、あまり物語の内容・方向そのものにはこだわらないんですよね。ただ、そのために、こうやって人に作品を伝えることが難しくなっている一面があることは否定できないのですけれど。。。
→もっとも、そのあとに
「書きたい物を書くのは正解の一つだけど、それが売れるかどうかは別」なんて言われちゃうわけですが……
→追加攻略ヒロインとなった当時は、あまり「雪村すもも」という登場人物が描き切れていなかったように感じたために、正直言って好きになれなかったヒロインだったすもも。
でも、今回、「雪村すもも」とは、という、彼女がどのように物事を見て、どのように考えているのか、という部分が、決して大ボリュームではないながらもしっかりと描かれていて。描かれているからこそ、先の好きになれない理由というのも解消されて、一人の登場人物として、「雪村すもも」をようやく好きになれたような気がします。
雪村杏という、過去作のヒロインとの直接的なかかわりを持つ数少ないヒロイン(上記のお話によって、美琴もこれに該当することになってしまったため、「唯一」とは言えなくなった)という立場も存分に利用して、出演可能な過去作のヒロインには可能な限り登場してもらうという、まさに夢のような構成をとることをも、その設定上可能にしてしまっていたこともあり。久しぶりにたくさんの登場人物で描かれる「ダ・カーポ」の話を読めたという満足感もあり、全体として十分に楽しめるお話だったと思います。
EP加点+1
ステップアップ!(瑠川さら) 68+2
→事前に紹介されていたメンツとさらの付き合いがどこにあるのかわからないところだけど、果たしてどうなるのかしら。本編の関係からすると、病院とかそういう絡みになるのかしら。。。
※なるほどね……やる前にも少し考えていたけれど、この人だからこそ、やっぱりそうやってつながっていくんだね……
→先の二人に比べたら、もともとメインヒロインだったせいもあるのか、あくまで補完というレベルの話に終始していたような印象。でも、「補完」の話としては存外悪くない。そう思いました。
相変わらず甘えん坊なさらちゃんは可愛いですねぇ……
◎EP!!!!!
→EP加点+2
素敵なひな祭り(葛木姫乃) 72
→当人たちは生まれ変わることで回避してしまった「血」のお話。では現代では、それはどうなるのか? という感じになるのでしょうか。まぁ完全に登場人物的にもそれしかなさそうな気がしますけれど……
※この回想が現れるのを見るに、とりあえずDMとは違う歴史をたどっているルートではあるようだ。悔過として「桜姫」という存在は存在しているものの、その存在の前提は異なっているということになる。それがどう影響しているかとか……そういうことを考えないといけないのかしら……
→結論から言えば、そういうことを考えなければいけないシナリオではなく、前世と現世の「葛木姫乃」という女の子をつなぐ、そんなシナリオになっていたんだと思います。
「お役目」となった姫乃はそれからどうなったのか、という、前作からやったユーザーであればだれもが思い浮かべた疑問。できることであれば、もっともっといろいろな方向から、そのシナリオを解き明かしてほしかったという思いはなくはないのですが。一応としてのひとつのかたちをユーザーに提示することで、その疑問には答えてくれたんだろうな、という気持ちにはなることができたような気がします。
その意味では、葛木姫乃の物語として、正当・王道とでもいうべきお話だったのではないかと、そう考える次第です。
※あまり明確にその最期を描かなかったことについては、批判も多々あるようですが、私自身としては、これは別に構わないのかなと思っています。
というのも、まだ一応は明確にシリーズとしてピリオドを打つのがいつ、どの時点であるのかが一般には告げられておらず、どのようにしてこの先展開していくのかが全く見えていないシリーズとしては、あまりはっきりしたことをここで言い切ってしまうのも、かえってその後の展開に対する余計な先入観や制約を生み、作品に対する感受の態様の幅を狭めるということになってしまう気がするからなのです。
これは、しっかりと設定を練り込んでいて、すでにその流れ自体は揺るぎないものとして完成されているのだとしても、同じなのだと思います。作品を愉しむユーザーの感受性というのもまた多種多様であるのですから、完全に「制約にならない」とは、とてもじゃないですけど言い切れない気がするのですよね。
→とにもかくにも、僕自身としては、まだまだ先の展開があるのであろうと信じているこのシリーズ自体で。「葛木姫乃」という「鬼」の力を継ぐ者の末路というのは、ひとつまだ、重要な意義を有しているのではないかと、そう考えるわけで。僕みたいにこう考えてしまう少なからずであろうユーザーの期待をまだまだ膨らませておくという意味で、実際に膨らんでいくかどうかの問題は別として、このようにぼかしてしまうのも、まぁ、悪くないのではないかなと思う次第なのであります。
いつか視たユメ(陽ノ下葵)
→まじめなこと書こうと思ってたんですけど、あまり真面目なことは思い浮かびませんでした。
ただ、一つ書き残すなら。
この終わり方にしてしまったことは、彼女の抱えるものが最終的に何に行きつくのかという部分が、3の物語としてのものになるのか、D.C.全体としてのものになるのかがわからないからこその、仕方ない部分なんだろうと思います。
PPの時からそうでしたけれど、彼女の物語だけは、時間や親密さの進行こそあれど、メインとなる話の部分は、苦悩する二人の姿を描くのみで、何が進んでいるかというところを何一つ明確にしていません。そして今回もまた、その部分を描く時機ではないということだったのでしょう。
もっとも……いつ終わらせてくれるか、はたまたこれで終わらせたつもりなのか。本当はどちらなのかは、この後の制作の展開を見ない限りは一切わかりません。
上記した姫乃同様、批判が集まりそうな気もしますけれど、どちらでも自分の中では納得がいくので、姫乃同様、これはこれでいいのかな、と、そんな思いがあるのみです。
聖なる夜の贈り物(芳乃シャルル)
→そっかぁ。そっかぁ……(語彙力なし
→数年引きずったその話は、存外に、そこで解決させてしまうというわけなのですね。あっさりじゃないかなぁ、という感じはなくはないけれど。身もふたもない言い方をすれば、シリーズのメディア展開に当たって生じてしまった「イレギュラー」な流れですから、放置することもなく、これくらいで終わらせておくというのが、長く続き、様々な層を引き込んでいるこのシリーズとしては、妥当な落としどころなのかもしれませんね。
過去と未来と(森園立夏)
→気が付いていなかったけど、立夏と姫乃だけは、たけうちさんが監修していたのね。そうするとこの話も、Ⅱの流れを汲むことがメインのお話になるのかしら。そうすると、覚悟がいりそう(何
※未亡人扱いされてますよアナタ。
○なーるほど、ここで解決なんですね、その話。最近頭が全くまとまってなくてしっかりとは書けないんだけれど、直感的なものとしては、落としどころとしては納得かなぁ。
→ほかのヒロインに比べたら、扱う話がシリーズの根幹過ぎるせいなのか。イチャイチャもお話も、どこかあっさり目で、続きのお話ありきに見えてしまったのが少し残念。姫乃のように「あとは読者様の想像で」という形にしてしまうわけにもいかなかったんでしょうから、仕方ないんでしょうけれど。
ただ、ファンディスクのシナリオとしては合格点です。普通ならこれくらいでいいはずなのに納得がいかない部分が出てしまう、それほどにこのシリーズがボクの中に染みついているがゆえの、この感想になってしまうんだと、とりあえずは信じておきましょう。
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点数
78
→完全な印象点です