クリスマスを舞台にした、今時ではない古風な、それでいて味のある、万人が想起しうるお話を、短め?な文量ながら丁寧に仕上げている作品だと思います。真っ赤な出で立ちに、比喩じゃなく硝煙と鉄の臭いが鼻につくパンキッシュなサンタクロースと、桃色な雰囲気に纏われた、家庭とエロスの匂いが鼻につく、これまた別の意味でパンキッシュな幼馴染。そんな2人に主人公を巻き込んだ3人で起こす、クリスマスのお話は、凍えそうな冬の寒い風を受けながら読むと、少しは暖かくなれるかもしれません。何で暖かくなれるかは、私は知りませんけれど。タイトルを略することだけは絶対にしてはいけません。ええ、してはいけません。長文部分はいつものプレイメモです。
クリスマストリックスター
→今年のクリスマス枠。見た感じ莫迦ゲーっぽいので、この先に期待。
一終わったの葉桜の時期だよ! 途中でヤル気がうせちゃったよ!
△画面演出、ゆっくりやったほうがある程度雰囲気が出るのはわかるけれど、流石に遅すぎでは?
※割と真剣に、珠姫振るの辛すぎるんですが......
ベル=スミス 64
→ド典型な、デレたらかわいい子。ちまい。ジャンキー。
※すでに上記してはいるが。このルートにおける、珠姫の描写は、簡潔な流れだけではあるのだけれど、主人公を想い続けた 幼馴染の想いとして、とってもいいものだったと思う。「物語」は、自分と相手だけで完結しても、「物語の世界」は、他の登場人物が存在 する限りは、二人だけでは絶対に解決しない。それを意識しいるかどうかぼ全く分からないけれど、3人しかいないこの物語の世界の登場人物で、あぶれてしまった1人に対しての、最大限の敬意として、この一幕を称賛したいと、素直に思います。
→加えて、この結末にもっていくあたりは、あと腐れのない、すごくうまいご都合主義の使い方ではないでしょうか。なんとなく予想が出来てしまうとか、本当にひねりがないとか、そういうところは、数多星の数を越えるかもしれないくらいに存在する物語の中で類似する物語は許されないとか、そんな無理なことを言うに等しいことなので、それはどうでもいいことなのです。
→正直、設定の通りのまんまという感じで、特筆するようなところがない女の子と言ってしまえばそれまでではある。「けれど、その「特筆すべき点がない」という評価をしたくなるほどに、無難に流れが作られているところは、物語の出来としては、一定程度評価できるところなのではないだろうか。
鐘恵 珠姫 68
→へんたい幼馴染。好意ドストレート型。間違いなく、ストレートには弱いタイプ。
※据え膳食わぬは、変態の恥!……うん?
※いや、すっげぇ超展開ですねアナタ。そりゃあ、そういうことなら今までの荒唐無稽も納得だけど。
→ベル同様、やっぱり予想通りの展開以外なにも起こらなかったといえば起こらなかった、そういうお話なんだけれど。クリスマスという、誰もがみんな、なんとなく同じようなことを妄想してしまう、時期特有の雰囲気を楯に、こんな話を展開されると、ついつい「それもまた風情なんだろうなぁ」と納得させられてしまう、そんな風に思います。
こういうものを見ていると、物語はただ「お話」として「面白そう」な展開を作り上げるだけが、魅せ方じゃないんだなぁというのを再認識しますね。