普通に抜きゲーかなと思って読んでみたら存外にしっかりしているテキストや文章運びに圧倒されてしまった感じです、でも、反面、抜くために待機していた息子はその圧に負けて出動がなかなかできないという皮肉。それがいいという人もいるのかもしれませんが、ちょっともやもやする、もったいない作品でありました。長文部分はなんとなく適当に書いています。
本当に、テキストや物語のつくりはよくできていたように感じられました、
とにかく、登場人物を取り巻く人間関係だったり環境を描く描写が丁寧で、抜きゲーに当たるはずなのにしっかりと文章を読み込んでしまうくらいには熱中してしまいました。
ただ、いろいろな時間軸の話をしていることもあってか、出てくる存在もそれなりに多くなっていますし、それでいていわゆる「主人公側」という存在各々の描写を丁寧にしているもので。とにかく今「何の話をしているのか」に神経を使ってしまう形にばってしまっていたのだけはもったいなかったと思います。
傍観者でもあるコスモスの話がもう少しだけでも尺があれば、また少し違った、もう少し満足の行った読後感だったかもしれません。
シーンも魔族や魔法の絡みもあるだけに、様々なシチュエーションが用意されていてお見事という形でした。女同士のシーンが若干多かったようにも感じましたが、僕は好きなので万々歳です。
システム面等にも特に問題はなく、全体としてお話方向でも抜きの方向でも大きなポテンシャルを感じられる作品だっただけに、もう少し、あと少し何かがあれば……という部分がとにかくもったいなく感じてしまい、ついこうして久しぶりに長文に感想を書いてしまう次第でありました。
個人的なお気に入りは第三章です。