んー、悪い意味で期待通り。
前作で「厨2病×恋」と謳っておきながら厨二病と俗に言われているようなタイプのヒロインが一人しかいなかったという盛大なコンセプト詐欺をやらかしたsugar houseの二作目となる本作。
変態、お隣さん、と言ったコンセプトには惹かれながらもいったいどこまでやってくれるのか、もとい、どこまでなら無視してくれやがるのか、というある種ダメな期待を持って予約初日に予約して購入してしまったあたり私は相当ひねくれているのかもしれない。
そんなわけでプレイした今作であるが。
やはり、今作もコンセプト無視も甚だしいところであった。
そもそもとして、「おとなり恋戦争!」というタイトルであるのにおとなりじゃないヒロインを無理に入れる必要があるのか? という発売前から言いたくなった突っ込みどころがあるのだがそこは置いておくにしても、各ヒロインの紹介項目に記されている「変態特性」がこれでもかというくらいに機能していないのが大問題である。
5人のヒロインそれぞれの「変態特性」は、
優衣→ストーカー、涼香→露出魔、蛍→キス魔、ゆず→お兄ちゃんプレイ、真奈美→匂いフェチ
である。
ところが、今作の個別√においてその意味のまま生きたキャラと言えば優衣と少々真奈美が許容範囲かというのみなのである。
涼香の露出魔など、Hシーンの1シーンで主人公にやらされていたのみである。むしろ片付けできない料理できないの散らかし魔のほうがいいんじゃないだろうか?
蛍もキスはほとんどしないし、ゆずのお兄ちゃんプレイもネタバレするなら主人公が呼ぶように言ってしまっただけ。
これで「変態特性」と謳い特筆する必要があるようには私には全く思えない。
また、もともとキャラのかわいさを求める方向のゲームであろうことからシナリオにも特別な面白味をなんら期待してはいなかったのであるがこの部分もそれを差し引いてもよくない。
まず涼香√。無駄なシリアスを入れた結果なんだかおかしな方向に話が飛んでしまっているし、それだけ重い話を振った割にはやることが中途半端だ。ヒロインのビジュアル的には一番お気に入りだっただけに、がっかり感も大きかった。
そして、この√と対になる優衣√を含めての二人の幼馴染の争いが本来タイトルが意味する「おとなり恋戦争!」なのだろうが、この二人が争うどころか他のヒロインも混じってグダグダになっているだけにしか見えないのも大きな欠点になるであろう。優衣√が優衣のわがままさを許容できるか以外では特に悪い印象は持たなかっただけに一層際立つ。
また、ゆず√に関しても少々やることが強引に感じる。ここは許容範囲に収まると言えばおさまりますが。
逆に、シナリオ面で、もとい、キャラ萌えゲーとしていい話になってるなと思ったのは真奈美√。
前述の匂いフェチも√の一部に絡めながら、その要素を萌えイベントに昇華しかつ無難に終わらせているので、思わぬ好感触でした。
以上を総括して考えると、メインとなる部分の崩壊こそあれど、真奈美の予想外なかわいさなどその中にかろうじて光を見出せる点もあったということで、少々厳しめにしながらも少し温情?のような上記の点数に私としては判断させていただきたいと思う。
本作も前作と変わらず、コンセプトを多大に無視した作品であり、出来の良しあし以前に前情報で購入する層の期待に応えられないという点ではこのゲームは期待外れの作品と言われてもやむなしであろう。
しかし、真奈美√に垣間見えるように、キャラ萌えのゲームを作るのであれば決して悪い作品ではないだけに、次回作以降では特異なコンセプトを高らかに掲げるならば少しでも守ってほしいものである。
そうすることが、少なくとも前情報を信じて買ってくれる人の期待に応えることにつながると思うのだ。
昨今のエロゲユーザーの減少からメーカーは売り上げ増のために少しでも特異点を見出そうとしているのは当然の流れであろうし、そこについてコンセプトの過剰広告などがあっても少々であればセールスの上手さとみて私個人としては納得することもできるだろう。だが、最近のエロゲの情報を見るとコンセプトの特異さの合戦になりつつあるような感じも否めず、ここらで一つ、何でもかんでも特異なコンセプトを掲げることへの疑問点も感じる、そんなばかりである。
PS.なんでおかーさん攻略できないんですか攻略させてくださいパッチはよ←