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Accord4312さんの鬼ごっこ! ファンディスクの長文感想

ユーザー
Accord4312
ゲーム
鬼ごっこ! ファンディスク
ブランド
ALcot
得点
66
参照数
432

一言コメント

先に感想を書いておられる諸氏の文言通り、浦部葵という昇格ヒロインに魅力を感じなければその価値が激減するゲームのように思う。ただ、ファンディスクとしてその出来を辛く評価するとすればそのボリュームの薄さくらいで、本編で純粋にヒロインたちの個性に惚れた面々であれば何ら問題なく楽しめるのではないだろうか。長文はメモと各ルートに関する個人的採点。ひとつおかしいとこあるけど禁句。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

鬼ごっこ! ファンディスク

住吉暮葉 60
やっぱりこの子無理だ。

西園寺乙女 61
え、これだけ……?
他ルートに比べて圧倒的に短い気がします。
好みの展開なので、まぁいいんですけど、これだったら本編のおまけくらいでやってもちょうどいいレベルだったんじゃ……

浦部葵 64
※妹物として、本編から変わらずの愛を貫いてきたヒロインだからこそのプレイ時間ゆえの重みというものがこのルートには見て取れる。
この手の恋愛ものを描くには、シリアスにしたけりゃ長く、コメディにしたければ短くと、その分量をもコントロールして表現することが重要だと思っている。そのようなバランスは今のところはとれている気がする。
※「おかしい」、と、「正しい」は対立する言葉ではない。
→全体的に、行為自体の背徳感というよりは社会からの背徳感を描く感じに。妹キャラ嫌いにはいまいち差がわからないが、これは是とされているのだろうか?
個人的な意見として見るなら、これは微妙では。そもそもこの妹をしてそのような内容を期待できる理由もないのだが。

坂上加奈・鈴鹿 67
※加奈というよりは、鈴鹿のためのシナリオ。全員の願いとして、自分を犠牲にしてまで二人を幸せにしてくれた鈴鹿に、最大級の感謝をこめて、といったところか。
→正直、これはいい。他ルートに比べれば、ファンディスクとしては一番無難なのかもしれないが、これでいいのだ。加奈本人との絡みが少ないのは減点気味だが、それでも鈴鹿をメインに据えようという感じが何となくは見受けられるので、それで相殺して余りある加点。
△ただ、ひとつだけ減点。
O P で 見 せ た 鈴 鹿 の 制 服 姿 は な い の か !

吉備津宮灯 80
☆ああああああああああこの母娘はほんとにかわいいなあああああああああ
→大満足。この母娘と生活できる主人公が羨ましい。俺はせめて坂上忍集の一員でいいからこの母娘を一生みられる環境に居たい。

そして、街中で三人を見かけるたびに無言でカメラを構えてファインダー越しににやにやして、それを邪魔する奴を忍者としてこの島の治安を守るために排除する。
排除した際にも、あくまで主人公たちに明確に気取られることはないよう、細心の注意を払う。
そうすることで、このネクタルのようにデロデロとした甘々空間を維持するのだ。

もっとも、この三人だけで完結する世界で常にあってもらわねばならないわけではない。
ときには、佳奈さまや乙女さま、葵さんがその場に加わり、彼女たちを茶化しながらもそのデロデロ甘々空間が伝播する様も重要だ。
あるいは、犬や猫をさりげなく彼女たちに近寄らせ、その空間に違った意味での彩りを添えることもまた、この空間を強める。

変態熊がやってきたら、それはすぐさま排除しなければならないだろうが、勘違いされないようにいえば、私は変態熊を嫌うわけではない。
彼とて、この空間を遠目に眺めることを歓びと感じる紳士の1人に違いないのだ。
空間の純粋さという意味では彼は不純物かもしれないが、いったん遠ざけてしまえば彼は友。
二人で一緒に遠目に眺める仲間となればよいだけなのだから。

そうして、そんなこんなで甘々空間を媒体に残すことに成功した暁には、その日の業務を終えた夜遅くは、こうして手に入れた映像を薄めたネクタルをカクテルにして、吉備津宮のお屋敷では三人がきっとくんずほぐれつ仲睦まじくやっているのだろうと妄想しながら、月明かりのみに照らされた室内で眺めて一日の疲れを癒す。
こうすることで、日々の自分の激務を振り返りながらも、それによってこの幸せ空間は守られている、そうして、身体に染み渡るこの甘さや酔いも、その幸せのおすそ分けに違いないのだと強く感じ、今その時からの新たな活力に変えてしまうのである。

嗚呼、こうやって日々をこの島で過ごせるのならば、それは何て完璧な日常だろう。
次の日に本当に主人公と仲睦まじくしたであろうように、肌がつやつやとしていつもの2倍増し以上にニコニコとした笑顔を見せてくれる真紀さんか灯ちゃんが見られれば、最高すぎて文章に現しきれやしない。

……決して手に取れる必要なんてないんだ。彼女たちは主人公と過ごしてこそその魅力が発揮される。私のような人物と仮に過ごしたところで、その魅力は全く失われているのだ。彼女たちを手に取れるように扱えるのは、主人公ただ一人で十分なのだ。
だからこそ、私は自分たちには決して向いていないその彼女たちの思いに少しの寂しさがあることは否定しないながらも、それを発揮してくれる主人公にただひたすら感謝し、母娘に両腕を引っ張られ困惑しながらも笑顔の主人公に対して草葉の陰からエールを送る。
それだけで最高ではないか。

あぁ、、、、、、この母娘本当にかわいい。