ド王道な物語、という一言に尽きる作品だと思う。展開自体は陳腐で古臭いのだけれども、それがまた、遠い昔に、王子様が苦難を越えてお姫様を娶り、幸せになる童話を初めて読み聞かされた後のような、とても爽快な気分を感じさせてくれているのだと思う。そこまで分量もないので、たまには直球王道な物語を読みたい、そんな方にお勧めできるのではないかと思います。これで巴ママが攻略できれば最高だったのですが……( 長文部分は簡単な総評とメモのみです。
総評
まさに、王道というべき作品だろう。
多少のアラこそあるけれども、勢いのあるテキストと読み手にとって馴染み深い展開で、読み手の心をつかんで離さない感じは、その客観的な出来以上にこの作品の印象をよくさせていると思います。
騎士道ということもあり、バトル的な部分は欠かせないのですが、うまくヒロインの可愛さと調和して入り込んでいるあたりもまた、なじみやすい物語になっているのかなと。
そして何より。バトルに絡めた、一人一人のヒロインの内なるもののぶつけ合いによって、ヒロイン全員の魅力を存分に引き出してくれていて、話を読み進めるたびに一層彼女たちを好きになってしまっている自分がいるこの事実が、何よりこの作品を愉しめたのだなぁという証なのだと思います。
総じて、目新しい部分はない作品でしたが、本当に爽快な読後感だけが残るいい作品だったように思います。楽しませていただきました。ありがとうございました。
以下、メモ書きです。
デュエリスト×エンゲージ
→戦闘描写は多いけどまぁ甘い?らしい。甘さがほしい。
※要介護母親に、要介護幼馴染……ボクのパラダイスかな?
○コラングレイン国家の国民性、大好き。
○なんだこのイケメン紳士!
攻略順は、もう決めてあるのでこれで
エーリカ・フランベルジュ→野咲雛菊→花京院椿→牧野萌菜香→ヴィオレッタ・ソレイユ
エーリカ・フランベルジュ 73+0+1
→ド典型の鬱陶しロリ。正直一番苦手な属性なので初めにチョイスしたが、完走できるのだろうか?
△分岐に至るまででこの子をまともと思う要素が全く存在しないのですがそれは……
→とっても黒服に同情します……
○でも一つだけ。ご飯につられているとはいえ、おべんと作ってきて笑顔見せてくれる子なのはいいね。他が意地っ張りすぎて決して悪い意味にはならないんだけどかわいくないんだよな……
○過程はともかく、結果は、よし!
△なんか、盛り上がってるせいなのかもしれないけど、最終話に行くにつれボリュームがネタ切れしてませんか?
○スズキさんマジイケメンすぎんだろ……惚れたわ。
※エーリカちゃんが恐れているのはヴィオレッタさんじゃない。
生まれて初めて?失いたくない”って思ったものを、失うかもしれない事への不安なんだ。
→こうやって「本気になる」ってことをとにかく知らしめてくれる展開っていうのは、どこか本気になり切れてない自分への叱責も同時に見えるようで、なんだか身に染みる。そして、どれだけ小さなことだったとしても、それに本気になる姿が何より美しいのだ。それを嘲り笑う者など、捨て置けばいい。
※先手を行く者のモチベーションというのか、それをあっさり描いてはいるけど、これくらいに描いてこそ重く響くものなのかもしれないなぁ。
○エーリカと雛菊の友情。いいものだなぁ。いいものだなぁ……
→金、名声、力。社会で重要視されるような力のすべてを持っていたはずのわがままお嬢様が、本当に心の底から欲しいと思ったものを手に入れるために尽力するという、澄み切ったガラスのように綺麗な、綺麗すぎるお話だったように思う。嫌いな属性てんこ盛りのヒロインではあったものの、終わってみればお話としてはなかなか綺麗に作られた王道そのものだったような気がする。「エロゲー」のヒロインとして好きになれるかというと、最後まで好きになれなかったのだけれど。「恋愛物語」のヒロインとしては十分に合格点だったように思うのだ。
要は、「エロが見る気さえ起きないし、ヒロインとして、彼女として好きになるかといえばなれないのだけれど、登場人物のお話としてはとても好きになれる物語」だった。
△まって? 紐なしスカイダイビングを素で実践するのはまって?
※EP加点なし
〇アフターストーリー加点+1
野咲雛菊 71+0+0
→あんまり素性が出てない謎後輩ちゃん。ところどころ存在感は見せてるかわいい子だし、先のエーリカルートではすっごく頑張ってるいい子ではあったのだけど……そのルートではどんな姿を見せてくれるのか、今の私には想像もつかない
※あ、あまあまだ……(かわいい
※話をそっちに持ってくのはいい意味で想定外。一昔前の恋愛ドラマであれば王道の展開ではあるのだから、察するべきだったのかもしれないけど。いい王道だ。
※チェスしばらく打ってないな……交流会まで行って打ったのが懐かしい
→そして、点数での解説が存外しっくりくるのにびっくりする。そういう説明の仕方があったかと素直に感心です。
→しまんねぇなぁ、ホント……。でも、なんか、それがいいと感じさせてしまう。これもまた、野咲雛菊といった、寂しいと死んじゃうウサギのような弱弱しい女の子にも見えるけど、とっても芯の強くて、自分を曲げないかわいらしい女の子が作り出す、ほわほわとした空間のおかげなのかもしれない。
……とまぁ、そういう感じで〆ちゃえばいいんでしょうかね。やっぱり全然しまんないけど(
※いいなぁ。こういう女の子にはまさに、純白が身体全体を白く包み込むような、色気よりも清楚さが勝つようなウエディングドレスがふさわしい。
※EP加点なし
※アフターストーリー加点なし
花京院椿 75+1+0
→もしかしなくてもえろい。
→そして、かわいい。なにタコヤキ一気に頬張っちゃってるの。でも可愛い。
※息子の結婚式にウエディングドレスで行こうとする巴ママ……
→いろいろ書いたことふきとんじゃったのであれだけど、ホント、存外よかった。それだけは書き記しておきたい。
※EP加点+1
※アフターストーリー加点なし
槙野萌菜香 78+1+1
→なんだこのかわいいの。
→かわいいんですけど!!!!!
◎周りみんなを笑顔に変えるような影響力を持ちながら、なんだかんだで臆病な女の子を、みんながみんな、それぞれの形で、支えている。こんな、田舎というか、ちっぽけなコミュニティというか、そういう部分の団結って感じが見えるお話は、どれだけ陳腐でお決まりな形の仕上がりであったとしても、心温まる魅力的なお話に見えたりするものだ。
◎モナ―のこの吹っ切れ方、大好きです。モナ―らしくて何よりだ。
→そして、本当に、心温まる話。ノーブレスなお話も創作チックで大変結構だけど、たまには、こういうのも、いいじゃない?
いろいろ文章で書きたいような気もしなくもないんだけど。それよりもなによりも、この終わった瞬間の、一応はきれいに片付いて、よかったねと。そんな感情を抱いている自分自身に、酔いしれていたいという気持ちの方が、圧倒的に強いんだから。
……決して、さぼりたいとかそういうわけじゃないんだからねっ!
※EP加点+1
〇アフターストーリー加点+1
ヴィオレッタ・ソレイユ 80+0+2
→一応、メインの姫様なのでラストに回してみました。ただ、今までのシナリオで全然、姫様の情報というのは出てこなかったので、このルートは存外山盛りなんじゃないかという期待(恐怖?)もちらりとごぜぇます。どうなることでしょうか。
※このおぜうさまにさえ鈍感といわれるのはまずいと思うの。
〇あぁ、こういう感じのヤキモチツンツン、見るの久しぶりだぁ……かわいい。
〇予想通り、メインに絡めた話とだけあって、なかなかに話は入り組んでいる様子。貴族、というものを背景に置いた物語としてはまさに王道だろう。
〇やばいwwwwそうじゃないかとは思ってたけど、笑いとまんねぇwwwww
※最近個人的に、エロゲにおける学園恋愛モノのストーリーは、「女の子と出会い、女の子を知り、女の子を好きになり、恋をする」という王道の展開を是とするように回帰しているように思う。ただ、ここまでの「貴族のいる世界の、誇りをかけた愛の物語」というものに対する王道は、まだまだそこに戻ろうという気配はみせていないように感じるのだ。個人的な願望、もとい、単なる好みでしかないが、こんなパータンな恋愛ものであっても、伏線とか予測のつかない展開とか、そんな頭を使ってニヒルに楽しむような物語ではない、ただただ爽快さを味合わせてくれるような恋愛ものといった、「王道」な作風に回帰するというような流れがほしいといえばほしいものだ。
→古臭いけど、本物の「王道」。よくぞここまで、王道というものを積み上げてくれたといった感じだ。
いろいろ端折っているというか、細かいところはそこでいいのかといいたくなる面もなくはないのだけれど、そのあたりを気にさせない大胆な構成がまた、この物語をよくしてくれているあたりが、なんとも憎らしいところ。
戦闘もいい感じに熱中し過ぎない程度に入っていて、自然と心が熱くなってくるところに混ぜ込んである辺りも、王道少年漫画チックでよかったように思う。
……いろいろ書きたい事が思いついては消えていくけれど。これはきっと、そんな王道の物語を描き切ってくれたことに対する感動と感謝のせいなのだと、そう思いたい。
ヴィオレッタ・ソレイユという、誇り高き純白の騎士に、幸せあれ。
……いつ来るのかは、わからないけど(
※EP加点なし
〇アフターストーリー加点+2
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
推しヒロイン 槙野萌菜香
点数 (74+71+76+80+82)/5=76.6≒77(端数切上げ)