何かしっくりとはこない、ちょっと報われない感じの物語ではあるが、前作のもう一つの視点としての悲恋の物語としてはしっかりしていたのではないかと思う。やはり、ロープライスにしては設定が作り過ぎなような。長文は核心部分に対するコメント。
精神病の外科治療のための「猫」という存在を出すのならば、もう少しそのあたりしっかりやってくれてもよかったんじゃないかとは思う。
エロゲにおいてどうしても突っ込みどころになってしまう不条理部分を解決する手立てとして設定を講じたのはよいと思うが、それが逆に物語全体のしまりのなさを生み出しているような気がしてならない。
全体としては転生モノにありがちな報われてそうで全く報われてない、「また来世」的なエンドで、消化不良な反面安心したというかなんというか。
エロシーンとしては正直前作とかぶっている絡みもあるので、実用性は半減。
ねこマタ、というタイトルではあるものの実際「猫」要素はそういう精神上の設定だけで、ほとんど普通のゲームと変わらないか。
(余談ではあるが、このようないろんな意味でユーザーの期待する「ねこ」要素皆無な状況なら柚の猫モードの絵があってもよかったと思うんだぜ)
最後に、ゲーム全体として。
一言部分や前作の感想にも示したが、このゲームはそのテキストの長さの割にいろいろな設定を盛り込みすぎているのではないかと思う。
メーカー亡き今、これを言ってもどうしようもないのは承知の上だが、この設定の組みように見合うテキスト量でしっかり勝負してほしかったという気持ちが強く残る。