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Accord4312さんのホームメイド スイーツの長文感想

ユーザー
Accord4312
ゲーム
ホームメイド スイーツ
ブランド
CIRCUS
得点
71
参照数
303

一言コメント

藤の声優が長崎みなみさんから風音さんに変更されていることが許容できるのであれば、純粋な完全版とみてよいのではないか。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

本作は本編となる「ホームメイド」に実はいなかった(まぁ、タイトルに「メイド」ってついてるので当然なのですが)お嬢様ヒロインである楓を加えたのみならず、本編の前提の物語となる「終の館」シリーズも一部CGのリメイクや本編で要望の強かった「桜実」シナリオを加え、さらには初回版では「ツイノウタシュウ」と題して「終の館」シリーズの全エンディング曲のフルバージョンを収録するなど、ひとこと感想に記した部分以外はまさに「完全版」と言ってよい作品であろう。

本編に追加されたCGも年代の差があり多少の違和感はあるかもしれないが、本編でCGが欲しかったのになかったような部分に的確に追加されているので、特に何か言うでもないだろう。

ただ、本編で私も不満点として挙げた「メインヒロイン以外のボイスがない」という要素に関しては本作でも変わっておらず、ボイスがないサブキャラたちが延々と会話を繰り広げるというシーンはもはや登場するキャラクターにはボイスがあるのが当たり前ともいえる現在のエロゲ事情を鑑みれば不満点として最も大きいものに上がるだろう。もっとも、2014年の今2008年に発売されたゲームの感想を書いている時点で少しは考慮すべきなのかもしれませんが。

また、「終の館」に関しても少し。
本作では何故か、「終の館」は「人形」から始まり「檻姫」、「罪と罰」とどんどん刊行順とは逆行して描かれていた。
このシリーズは正直一巻から順に読んでこその面白さもあったのではないかと個人的には思うだけに、どうしてこの収録順にしたのかが気になって仕方がない。

追加キャラについては、本当に物語の本筋とはほとんど関わりがない、フツウの紳士淑女の恋愛であったように思う。
よくもなく悪くもなく、というお決まりの言葉に収まるのではないか。
ただ、かわいかったので許す!(

総じて。
一言にも書いた通り、一部の不満点さえ除けば純粋なこのシリーズの完全版となっているので、これからホームメイドの世界に入りたい方はこれを買ってしまえばよいというものになるであろう。
リメイクや完全版商法というのはこのメーカーのお家芸であり負の代名詞でもあるので、あまり歓迎はできないというのが本音ではあるが、本作のような形であればそれもまた許容できるのかもしれない。

ところでですが、私は桂花と蓮奈さんがすきです(