第一作について書かないのもなんだかなあということで、中途半端な義務感に引きずられるようにレビュー。とりあえずシリーズで一番好きなのはコレ。内容はどれも大差ない金太郎飴みたいな作品ですが。
・ CG差分無し40枚。シーン数25。
・ 何気に豪華声優陣。
・ 選択肢ミスでBADEND。分岐はターゲットのみ。
・ 意外と細かい設定、描写と高品質のCG。
女子大生とOLと痴女というラインアップが一般受けするかどうかはさておき、痴漢もののADVとしてはそこそこ良くできた作品だったと思います。低価格で三部作、一応話が繋がっていて本作で登場したキャラクタは次回作以降もHシーンありで出現。そういう意味では一番恵まれていたキャラ陣ですね。痴漢されつづけるのを恵まれたと言うならばですが。
痴漢の動作をマウスで再現等はありません。いたってふつうのADV。車内で本番やっても捕まらないご都合主義設定ですが、登場人物の心理描写が細かいのは良いですね。主人公である純一くんはもともとただの大学生ですが、痴女のアイに逆痴漢されてそっちの道へ引きずり込まれる。純一視点で痴漢の魅力とかが語られるのですが、このあたりが面白かったです。痴漢ものの主人公ってだいたい自分の痴漢テクがあって、女性を堕とすという目的が先立っている場合が多い。手段が目的化しているとでも言いますか。痴漢ヒーローとしてはそれでいいのでしょうが、純一のように自分の性欲が先にあって、そのために痴漢するというのは親しみというか親近感がもてます。曰く、痴漢がどうこうというより心は嫌がってるのに体は感じちゃうみたいなのがたまらんそうで。凌辱系作品の王道的センスじゃないでしょうか。
後のシリーズへと続けることも意図したせいか、この手の低価格作品としては珍しく筋書きがしっかりしています。性格設定や家庭環境といった背景、痴漢に遭ってから堕ちるまでのプロセス、堕ちた後の性癖の変化や主人公とのつきあい方の変化。起承転結というのが妥当かどうか解りませんが、物語として必要最低限は揃えた感じ。テキストも適度な長さで大きな破綻はなく、違和感なく読めました。抜きゲーだけに名文である必要はありません。ストレス無く読み進められ、イベントの間をダレさせず、それでいて無理なく繋げています。導入が少々長いものの、痴漢が始まったらあとはイベントが連続なので飽きずに突っ走れました。
Hシーンのバランスは、三部作の中で一番良かったと思います。コスチューム的にはあまり捻りがなくおとなしいものでしたが、お触りからフェラ、本番までまんべんなく配分。集団にあれこれされるシーンももちろんあり。純一がまだ痴漢慣れしていないこともあってか軽めのお触りシーンがやや多いし、アイに逆レイプされて受け身になっているシーンも多いですが、最終的には主導権握ってやりたい放題なので征服欲は満たしてくれるでしょう。
結衣はなんだかんだで正ヒロインぽい位置づけで、シリーズ最強にして最恐の女の子。アイを出さない訳にはいかないから仕方ないのでしょうが、最終作に出てこなかったのが大変残念。痴漢にハマったのも純一に惚れてるからで、本当は全然堕ちていないと思わせる描写が面白かった。凌辱もので主人公にお供します的な女の子ってだいたいこんな感じなんですよね。快感にハマったようにみえて、実は主人公にハマってるというやつ。彼女には是非幸せになって頂きたい。純一ならできる気がする。頑張れ!
三部作通してターゲットの年齢層は高め。女学生が出ないのも特徴ですね。痴漢ものの王道のひとつは制服の女の子だと思うのですが、完璧にその路線は除外。大学生、OL、アイドル(年齢的には若いか)、妊婦、人妻。自分はそれほど気にしないたちですがお姉さんキャラ多すぎなのは抜きゲーとしてはバランスを取り損ねているかも知れません。特化したといえば聞こえは良いですが、それなら分割する意味は余り無い(ユーザーのリスク分散にならない)。胸も80未満出てきませんし、二作目を年齢層と容姿を若めの設定にしていたら綺麗にまとまったはず。受け皿をわざわざ狭くしてしまったことに、少し首を傾げる部分がありました。