ErogameScape -エロゲー批評空間-

ARTOさんの美脚エージェント・麗華「くやしい!こんな卑怯なヤツに負けるなんて…」の長文感想

ユーザー
ARTO
ゲーム
美脚エージェント・麗華「くやしい!こんな卑怯なヤツに負けるなんて…」
ブランド
ルネ
得点
40
参照数
4288

一言コメント

純粋な内容より、低価格ゲームとの根本的な違いが無いことに重きをおいて評価した。三倍近いお値段に見合うだけの価値があったと思えるよう、是非がんばってほしい。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

・ 基本的に麗華攻略ゲー。女子高生やメイドがいるが完全にオマケ
・ サブキャラは一律2シーン。
・ 基本は選択肢を選び続けるだけのADV形式。
・ 調教モードはそこそこ凝っている。


うぅ…ん…。この手のゲームは好みにあった・あわないが評価の大部分なのは承知しています。その面からみれば、十分実用に耐えうるレベルだし、高評価を下す人がいてもおかしくない。ターゲットを絞った販売戦略でもあり、メーカーさんの方針としては妥当なものなのだろうと思います。しかし、「一言コメント」で書いたように、低価格(2~3000円)で販売されているゲームとの根本的な違いが、あまり無いように思われました。自分には。

ボリュームはもちろん違います。でも、ボリュームがあれば良いゲームというわけではない。「フリフレ」が最近発売されて高い評価をうけていたように、話の質とボリュームは必ずしも比例するわけではないでしょう。低価格ゲームをだすメーカーが今後、「質の良い」作品を出してくる可能性は十分ありえます。長くてつまらない話に手を出すか、短くても面白い話を読むか…。答えは明白でしょう。

もちろん抜きゲーですから、話の良し悪しは二の次、という可能性もあります。本作は複数の原画家さんを使い、声優さんもきっちりつかっていました。でも、サブキャラは2シーンだし原画家さんによって絵の質にかなりひらきが出ていたように思います。多数の絵師さんによるコラボは魅力として押し出すことが可能なところだし(たとえば「鬼畜王ランス」とか)、キャラ数が増えるのは歓迎です。しかし、本作のように「オマケ」扱いなら微妙。はっきり言って、違ったタイプの低価格ゲームを3本買うほうが楽しめるんじゃないの?というのが正直なところ。

システム的な部分では、調教モードのコンボやパーツ破壊でイベントが変わるなど、それなりの工夫が施してありました。ただ、楽しめるレベルかというと疑問。Hイベントも繰り返しが多いので、スキップ押しながらパーツ選択の組み合わせをいじるだけ。作業を楽しみに感じるかストレスを受けるかは人それぞれとはいえ、工夫と言うには芸がないと思います。

話・絵・システムと三つに分けて見ました。それぞれで低価格ゲームに劣っているところはない。でも、飛び抜けて良いかといわれると、首をかしげざるをえません。ストーリー系ゲームとちがい、抜きゲーはHシーンを「消費」する頻度が高いです。これから低価格ゲームが増え、質ももっとあがったとき、値段は高いのに低価格ゲームと大差ない…という感じのままだと、ユーザーが手を出さなくなる可能性は少なからずあると思う。1000円ジーンズでいろんなデザインのを揃えてはけばいいや、みたいな感じです。

そんなこんなとダラダラ書きましたが、結論としては、なんだかどうも物足りなかったです、という感想。贅沢なのかもしれませんけどね…。