前作からの問題点をそれなりに解消しつつ、綺麗にまとめた感アリ。 惜しむらくはボリューム不足かな、と思わせる点。
前作比較として良かった点、悪かった点を挙げていくと
良かった点
・キャラクター数を絞ってる
前作は出てくるキャラが多く、攻略が面倒/シナリオも膨大/鬱陶しい点も多々あった。 本作の女幹部5、サブ枠(?)2は適量と思う。 実質、女幹部4サブ枠3みたいなもんだが。
・"重い"女キャラ
全寮制御嬢様女子校を思い起こさせるほど女キャラは皆男性経験がない。 そして女幹部は女性教師であるため、基本的に結婚問題に対して焦っている(ないし、男性経験がないことを気にしてる)、のような設定となってる。 つまり、"重い"。
この設定はどういう風に活かされたか、というと、女幹部はどれも堕とした後は主人公がいなければ手首切って死にそうな勢いがある。 独占フェチである私にはかなり高評価。
悪かった点
・キャラクター数を絞ってる割りに(ボリュームが)薄い
前作では複数人の掛け合いがかなりあった気がするが、今作は1つの挿入話の中でも、同時に出てくるヒロインは2人くらい。 雰囲気で言うと、にぎやかではなくなってる、というのが直観的だろうか。
勿論フォーカスを主役に絞ってるとも言えるが、スラップスティック的な感じは薄まった感じが強い。
または単にボリューム不足を匂わせる。
・嫉妬不足
上述から派生してるような問題ではあるのだが、女幹部同士の絡みが根本的に少ないため、
"堕ち済のヒロインに、別のヒロインとイチャイチャしてるところを…!"みたいな修羅場的要素は少ない。(設定から見れば頻発しておかしくない事態ではある)
どころか、フラグ管理の問題か、堕ち済のヒロインが他のキャラと絡むことさえほぼ無い。
(注:堕ちたらゲームに登場しなくなるわけではなく、"(精神面で)堕ちた"ヒロインとして他のヒロインと絡むことは少ない、ということ)
(注2:攻略上、あるにはあるがヒロインが"(精神面で)堕ちてる"という表現を活かすことは無い。 フラグ管理システムに根本的な原因があると思うが)
また、3Pも特定ヒロインにしか用意されていない。 3Pするキャラはエンディングまで三角関係嫉妬要素があるのだが、ボリューム不足のせいか表現が浅く、一本調子である。
総評
前作、"悪の女幹部"からのどう変わりました?と聞かれれば、
"ダイエットに挑戦した作品"というのが一番近いに違いない。
前作にあった、煩雑なヒロイン同士の関係を整理し、それでいて残すべき点はきっちりと残した。
が、その煩雑な関係性が前作を賑やかしていたのも事実。 ダイエットには良い面も悪い面もある。
ヒロインは全体的に一貫性があって、嫉妬イベントは少ないし、独占欲もほぼ見せない。
独占かつ嫉妬フェチである私にとって、消化不良ではあった。 あの性格(の女たち)なら自然と嫉妬しまくり/独占欲出しまくりな気がする。
暴力要素は全体的になくなったので、"手におえない悪の幹部を何とかして堕としてやる、クックック…"
というよりは、"駄目女(褒め言葉)を何とかしようと奮闘してたら(その駄目女に)捕まってしまった"というのが本作の本質に近い。
あらばかり書いた気がするが、それだけ作品として気に入っており、
スラップスティック系作品の中では評価の高い一作であることは間違いない。 ヒロインのキャラクターとしてはこっちのほうが好み。
超ボリュームのファンディスクとか出ないかな。 出る気もするけど。 安めでお願いします。