エロゲ革命。主人公を社会人設定にしたことによって出来る新しい展開、シチュエーション。学園モノ、学生というテンプレを打ち破った作品。あとどうでもいいことなんだけど、立ち絵裸パッチを咲の天気予報中に使って、全国リアルタイム放送羞恥プレイ!!って一人でキャッキャ盛り上がるのが楽しかったです。
SMEEは毎回のことだけど、作品としてのコンセプトがしっかりしている上に、ヒロインごとのコンセプト(性格とかどういった恋愛観なのかみたいな)も作りこんであるからいいよね。
どんなシチュエーションでどんな恋愛が出来るのかってのがしっかり決めてあって、それがブレないからすごくいいと思う。
そして、本作には2つの大きな革命とも呼べる目玉がある。
一つ目は社会人の恋愛ってこと。
これってホント革命だと思う。だって従来の学園モノって、主人公が2年生。ヒロインは同級生、1年生の後輩、3年生の先輩っていう、同じ年代しかヒロインとして出せないっていう縛りがでちゃうじゃん。まあ、妹だとか先生だとかで歳が離れたヒロインも出てくることがあるけど、結局それって1人とかの一部になっちゃう。
しかも、みんな学園に通って・・・って、学園内での出来事を主として進むから、代わり映えしないテンプレ的なイベントばかりになってしまう。学園でのラブコメ+αみたいな感じで。
まあ、それはそれでいいのだけど、そこを社会人にしたことで、様々な年齢層、働いている空間(従来なら学園)で物語が進んでいく。そこから紡ぎだされる新しいシチュエーションはとてもいい。
場所、イベントのテンプレに縛られないってものすごいことだと思う。ヒロインと半同棲の生活、同じ職場で一緒に仕事・・・ってホントすごいよ。しかも彼女の部屋とかも、親の家の中の一室じゃなくて、個人の家になるわけだし。
その中でも一番いいのが、ヒロインと居酒屋とかBARでお酒を飲んで楽しくお話をするってところ。滅茶苦茶これがよかった。
まとめると、社会人を舞台にしたことで、社会人でないとできないことができるようになったってことなんだよね。
合コン、飲み会、お酒、同棲、お泊り。逆に、文化祭だとか学園ならではのイベントも出来なくなっちゃったわけだけど、そっちは別の作品行けば嫌というほど見えるしね。
それに関連して言えるもう一つの目玉が、本作は交際してからが物語のスタートという点。
従来なら共通ルートで出会って仲良くなっていって、個別ルート・・・って感じだと思うけど、本作は共通ルートがない。ちょっとした出来事がヒロインごとにあって、その結果付き合って見ましょうか→即個別ルート。みたいな感じになっている。
これのすごいところはヒロイン同士を関わらせる必要がないという点。だって、共通ルートがあるということは、ヒロイン共通の場所が必要なわけじゃん。従来で言えば学園。それが必要ないんだよね。だから、物語の序盤からそのヒロイン専用の物語、舞台設定、シナリオを用意することが出来る。これによって、無駄がなくなり、物語の広げ方が多彩に出来る。ホントコレはすごいと思う。
ただ、弊害もある。付き合うまでの過程が本当に短いので、その部分のみ無理のある展開になってしまっていた。
付き合うまでが早急すぎて、発展編でも序盤のほうは、ちょっと無茶すぎるんじゃないの・・・ってなった。まあ関係性の変化って意味では楽しめたけど。
また、基本的にヒロインとの1対1でしか物語が進まないってのも難点だと思う。その分、ヒロインとの関係を深く書けるのでイチャラブという意味では逆に良かったのだが、個別で他のヒロインとかが出てきてみんなでワイワイみたいなのがないのはやっぱり寂しい。ヒロインしか基本的に出てこないので、そういった意味ではさっき言ったことと矛盾するけど物語の広がり方はしょぼかったかも。ただ、ルートごとにそのヒロインの友達みたいなキャラを作っており、少しでもそこをマシにしようと頑張っていたのは感じられた。
そのヒロインとに力を入れすぎていて、他のキャラが魅力的ってのはあまりなかったのは残念。SMEEのいいところである、サブキャラがキチガイで面白いってのは今作はほぼなかった。
内容については、POVにもある「ヒロインとの生活が楽しい」って感じ。
今晩はなに食べたい?とかお話しながら買い物とかもんのすごくいい感じ。
同棲して少しずつ彼女の部屋に私物が増えていくとかそういうの。
んで、やっぱり早瀬は天才だな・・ってなった。
昔の作品に比べたら微妙な部分もあったけど、あんな面白くて、イチャラブもレベルの高いテキストを書ける人は他にいないと思う。
開始1分で、私のお兄ちゃんは変態です。とか、夏休み子供相談ダイヤルのくだりで大爆笑した。
ギャグシーンも面白いんだけど、ちょっとした言い回しも面白いんだよね。
勢いがあってキレのあるギャグも面白いし、そうじゃないギャグも面白い。会話も面白いしほんと楽しかった。
その上イチャラブもレベル高くてすごい好き。恋愛編以降はどのヒロインのルートも爆笑してニヤけてと読んでて大変だった。
今回のイチャラブと笑いの真価は恋愛編からだと思う。合わないな・・・ってなった人も、そこまではプレイしてみて欲しい。最高のイチャラブとギャグが楽しめるよ。ましろルートはあんま笑わなかったけど。
んで、SMEEは主人公がホント面白いよね。キチガイ系主人公。
んで、ヒロインもなんだよね。かわいいんだけど、笑わせてくるところでは若干キャラが壊れて、こちらを笑わせてくれる。
コレが行き過ぎるとひくわ・・・ってなるんだけど、そうはならない。絶妙な塩梅だと思う。
シリアスがないところもSMEEのいいところ。シリアスって物語に起伏を持たせるために使うもんだと思ってるけど、日常シーンだけでギャグの起伏があるから必要ないのかな。安心して読み進められてとてもいい。
あとは今回もデートメイキングシステムとかSMEEは新しいもの取り入れていていいよね。
デートのプランを決められる!!ってのはすごい新鮮でよかった。
キャラについてはみんな魅力的。
あんま好みじゃないキャラもゲームを終える頃には好きになっている。そんなSMEEテキスト。
個人的にはレイナと大学の同期が気に入ったかな。ただ、今回は幼馴染キャラがいないのがちょっと不満。SMEEの幼馴染キャラって距離感とか関係性、そしてその変化がすごく絶妙で好きだったんだけど。
絵については全然かわいくていいじゃん!ってなった。ぱっと見微妙かもだけど、ゲームを進めていくとそんなの全然気にならない。エロCGについては作画崩壊してた感あったけど、抜きゲじゃないしどうでもいい。
あと、背景の時計がちゃんと時間ごとに変わってて細部まで作ってあるなーとか思った。
やっぱSMEEは最高のキャラゲブランドだと改めて確信できた一作だった。
不満点は短いところと、付き合うまでが無理やりすぎるところくらい。せっかく最高なイチャラブなのに消化不良的な感じで終わってしまうのが悲しい。