キャラゲーとしてみるとシナリオも絵も展開も一定水準以上の良ゲーだった。女装ゲーとしてもほしいところはほぼ網羅されている。
どのゲームも同じだと思うが、こういった全面的にキャラゲーをアピールしているゲームは、シナリオに重点を置いているゲームとはシナリオの評価の仕方が異なると思う。
こういったキャラゲーは話が面白ければシナリオがいいゲームといってもいいのではないか。話が面白いというのは、飽きない、ヒロインの可愛さを引き出しているシナリオというのが挙げられると思う。
頭を空っぽにしてキャラクターのかわいさを楽しむのがキャラゲーであって、それが出来ていれば良いシナリオであると思う。
こういったキャラゲーはエロゲ全体を基準にシナリオを評価するのではなく、キャラゲーというジャンルの中で評価するべき。
エロゲ全体を基準にするならば、こういったゲームは感動も泣きも名言もない、ただの日常を描いたものであるため、シナリオを評価する部分は全く無くなってしまう。しかし、キャラゲーというジャンルの中で見ると、先ほどのキャラクターを可愛く書けているかどうかが肝心なので、シナリオを評価する部分は大いにある。
こういったキャラゲーのシナリオを薄っぺらいと感じる人もいると思うが、薄っぺらいのは当然である。こういったキャラゲーはいいシナリオを求める人向けの重厚なものではなく、キャラゲーを楽しみたい人向けにイチャラブに重点を置かれて作られているからである。
内容としては、慣れない女子としての生活にあたふたしていくということや、ヒロインが主人公のことを女と思っているからこそおきる着替えなどのイベント等、女装ゲー特有の個人的に欲しい要素はすべて詰め込まれている。
イチャラブもシチュエーションもなかなかよかった。
さすが女装ものばっかだしてるブランドだと感じた。
また、エロCGに女装した主人公が顔まで映っているものが多いというのがとても気に入った。顔まできちんと映っているのは個人的にぐっと来る。
ただ本番のシーンでは顔が映っていても、目は描かれない典型的な感じになっていたのがとても残念だった。エロシーンも主人公のボイスはアリなのに、そういったところでナゾの配慮はいらないと思う。
また、通常のCGにおいても、ヒロインだけではなく、主人公も映っているものが多く、とてもよかった。
女装ものは主人公もヒロインみたいなもんだと思っているので、その主人公がCGに入っているのはポイント高い。
また、主人公が男の時と女の時で声を若干変えているのが気に入った。
男の格好をしている時と女の格好をしている時で声を変えるのではなく、発言の内容で変えているのがよかった。
例をあげると、女装していても、男としてヒロインに告白するシーンは男としての声。女装していても、ヒロインが男としての主人公と話している時は男の声といった感じ。
ただシナリオが少し短めで、イチャラブが少し物足りない印象を受けた。
一応アフターストーリーはあるが、大したものではないし。
このブランドはよくFDを出しているが、FD商法かな?と思う分には付き合った後のシナリオ量が少ない。
全てのヒロインが魅力的なため、今となってはあまり思わないが、多いヒロインの量削ってその分一人ひとりを伸ばして欲しい感じだった。
よく言えば飽きる前に全てのキャラを終わらせられる。
このゲームはお出迎え会と舞踏会どちらかを手伝うかでシナリオが分岐していくのだが、お出迎え会を選び、そちらのヒロインのルートに入ると、舞踏会についての言及がほとんどない。逆も同じである。一応二つとも重要な行事という位置づけなのだし、もう少しそこらへんを丁寧に書いて欲しかった。
全体的には物足りないけど、イチャラブ自体はそれなりのレベルで、シナリオもキャラゲーとしてみたらなかなかで、ヒロインも可愛い。女装ゲーとしてもシチュエーションなどが優秀。シリアスシーンもほとんどなく、とてもよかった。
あと、今までの作品のヒロインをゲストとして登場させるという試みはとても良かった。
公式HPにきちんとゲストキャラクターの紹介もあり、そこにそのキャラクターの近況みたいなものが書いてあり、今までプレイしたゲームのちょっとした後日談みたいな感じで楽しめる。
ただEDムービーでまだクリアしていないヒロインのルートのCGだしてネタバレはやめてほしい。
とりあえず主人公と皐月という神キャラを作ってくれた時点で高評価って感じはする。