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ACiD8926さんのピュア×コネクトの長文感想

ユーザー
ACiD8926
ゲーム
ピュア×コネクト
ブランド
SMEE
得点
80
参照数
690

一言コメント

安心安定のSMEEクオリティ。最後のヒロインを終えるまで、飽きずに一気に進められる日常系のキャラゲーを作れるブランドはここくらいしかないといっても過言ではない気がする。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

このゲームのサイトが前作と比べて、雰囲気よく仕上がっていたため、今作は綺麗な恋愛物をやるのかと思っていたら、開始5分でいつもの下ネタ全開のふざけたアホらしいギャグテキストがでてきていい意味で安心した。
このメーカーは毎回OPムービーといったぱっと見の外面が綺麗に雰囲気よく仕上がっているのに、内面のテキストが頭おかしいほどふざけまくっていて、そこの落差が面白い。

本当にテキストは才能溢れた文章になっている。あんなアホらしくて馬鹿らしくて下ネタ全開で下品でギャグ満載で、尚且つとても面白いものを書けるライターの早瀬さんはすごいと思う。
そこの文章だけを切り取ると寒いギャグなのだが、話として読み進めていくと笑いが止まらない。そしてギャグだけではなく、イチャラブのレベルも高い。
内容自体はいたって普通の日常系キャラゲー。特殊な設定もなく、シリアスシーンもほとんどない。そんな平坦な物語なのに、テキストが面白く、イチャラブも最高なため、飽きが来ない。普通、20時間を越える、物語にシリアスシーン等の起伏がない日常系は途中で絶対に飽きが来ると思う。
面白くて飽きなくてイチャラブも最高なシナリオとか文句の付け所がない。

内容は先ほど書いたとおり、共通個別共にギャグ満載で面白くて、イチャラブのレベルも高い。ただ共通ではギャグ、個別ではイチャラブのほうに重点が置かれている感じだった(当たり前だけど)。その為、個別ではそこまで大爆笑はしなかった。

悪かった部分としては、今作は前作と比べて、仲良くなっていくまでの過程が少し弱かったように感じた。前作では休み時間にどのヒロインに会いに行くかを選んで、それによって仲良くなっていくシステムだったが、今作は誰にメールを送るかを選んで仲良くなっていくシステムだった。またメールを送る回数が数回しかない。そして、メールではヒロインのボイスも入らないし、数回メールを送りあった後は、「その後メールを楽しんだ・・・」みたいな感じでカットされてしまう。直接会わずにメールだけというのにも違和感があったし、そこの部分だけは微妙だった。ただ、仲良くなっていくと、メールの後にヒロインから電話がかかってくるなど、一応仲良くなっていく過程についての描写はあった。
また、メールについてだが、前作と比べて無理にぶちこんでる感が半端なかった。しかし、絵文字などがほぼなく、シンプルな内容であったため、リアル感が増している点についてはいい感じだった。前作とかヒロインからのメールに違和感ありまくり、無茶しまくりな絵文字や言い回しがぶちこんであるせいで見ていてちょっと痛かった。
そして先ほど述べた、ルートに入るためにおくるメールとは別に、自由に送ることが出来るメールが存在し、そちらについてはなかなかよかった(多分自由に送れるメールについてはルートには影響は無いと思う)。自由に送るものであるため、送らなくてもいいし、送ってもいい。文面については元から用意されているものであったが、そのメールを送ることによって、シナリオ内でそのメールについての言及などがたまにでてくるようになり、面白いシステムだなと感じた。

ヒロインについては、みんなの性格はもちろん、そのヒロインの恋愛観についても明確にされていて、個性がよく引き出せていると感じた。また、共通ルートではあまり興味の無かったヒロインを個別ルートが終わると好きになっていた。それだけ個別ルートではヒロインのよさを引き出し、イチャラブも最高なシナリオだったということだと思う。
ただちょっと個別ルートは長さ的に物足りない感があった。
あとこのブランドは幼馴染と主人公の距離感がとてもいいと思う。前作といい今作と言い、面白くいい感じの関係でよかった。

システム、演出については目パチや服装、髪型が複数用意されている、普通と雪景色の二種類の背景が用意されているなど、細かいところまできちんと作られていると感じた。
また、右クリックでテキストを消した後、ヒロインをクリックすると、ボイスが再生されてびっくりした。