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A-becさんの英雄*戦姫の長文感想

ユーザー
A-bec
ゲーム
英雄*戦姫
ブランド
天狐
得点
90
参照数
708

一言コメント

「好色王チハヤ」というだけでは勿体無い。このキャラ数をしてエロシーンが少ないのはご愛嬌だが、声優の演技は中々良かった。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

本作を語る前に、まず個人的な大槍氏の印象から。
リトウチ時代では「ピリオド」辺りから完全にそれ以前の絵柄と違うものになってしまった。
加えて舞台が今風の現代学園モノにシフトした作品もあったりと、さほど氏独特の魅力は感じられなくなってしまった。
※「Quartett!」は音楽家ないし欧州圏の文化という馴染みの薄い設定のお陰で引き込まれる非日常があった

本作は久々に大槍氏の西洋衣装等ファンタジックなデザインに期待していたのと、
キャラクターが多く描き分けが多いこと、アリスソフトの某作品を下敷きにしたような内容と聞きそれなりの安心感はあった。
特に描き分けが多いのはとても有難く、筋肉モリモリの未だかつてない大槍キャラがいると思えば、
抱きしめたら壊れそうな細い肢体と程よく肋骨の浮いた従来の大槍キャラもいるという幅の広さ。
それでも塗りや顔の絵柄は違えど、露骨な幼女キャラなんかは割と久々に見た気がする(ロマネスク以降あまり記憶にない)
「白詰草話」とか、フィルの妹が好きだからか弁慶にビビッと来てしまった。強いし。
ラスプーチンとか「ピリオド」以前の面影を残すキャラもいる気もするし。
他にも終了時のGood bye...やシステムのSE、(これは確認はしていないが恐らく)声優等
ブランドが違うとはいえ、リトウチ系にお馴染みの仕様も健在なのには少し驚いた。

ゲームの方は、製品版そのままでは装備画面などの細かい仕様に不便な点があり、パッチ当てが必須。
会話パートは個々の個性を上手く差別化し、勢力が整ってくると色々な関係が出来る(信長とキッド、弁慶とギルガメシュetc)など
シナリオ自体は余計な葛藤なく程よくポジティブに進み、この手のゲームで面倒なレベル上げやターン経過イベント等もなく、マイペースにじっくり進められる。
但し、Hイベントはジパング統一後のヒミコの一回以後、北米進行の中盤辺りまで全くなく、
そのフラストレーションが各方面のプレイヤーからアショーカさんの評価を上げさせていると思われる(笑)
そのイベントもヒミコ以外では差分がないものが多い(弁慶のお漏らしの差分ナシという以前に、事前のイラストのみで最後まで声優が頑張ってたイベントもあったような…)
ただし、Hシーンでの個々の声優の演技や文体の良さは中々充実している。それだけに差分が少ないのが惜しい。
ただ、やはり必ず好みの女の子を見つけられる部分は良いと思う。
追加ディスクに期待。