抜きゲーのメーカーと思われているアトリエかぐや-アストロノーツの非抜きゲー系譜の正当な発展作品。
かつてのアトリエかぐや作品、そのスタッフが立ち上げたアストロノーツの作品は一般には「抜きゲー」のジャンルとされている。だが私はその名称はあまり相応しくないと思う。すなわち、かつてのかぐやの作品の中にはストーリーについても十分読み応えのある作品があったのであり、そしてそれを現在のアストロノーツも引き継いでいるのであり、それをあらためて痛感したのが本作品であった。
アトリエかぐやの中でもTEAM HEARTBEATの作品は早くから(抜きゲーではあっても)ストーリー性を持った作品が多かったが、それがBerkshireYorkshireでも発揮されたのが「プリマ☆ステラ」であろう。それに続く「さらさらささら」「さくら色カルテット」は必ずしも評判が良くないようだが私はそれらの作品も十分にストーリー性を受け継いだと思っている。
アトリエかぐやが3チームだったことをアストロノーツも受け継ぎ、BerkshireYorkshireを継いだのは絵師的にも雰囲気的にもアストロノーツ・スピカであることは間違いなく、そして質の高さもだ。スピカの処女作が「えれくと!」であったわけだが、いよいよプリマ☆ステラ並に高まろうという感じを抱かせたのが本作品・あおぞらストライプだ。
そもそもその流れで捉えれば、アトリエかぐやBerkshireYorkshire最後の作品「さくら色カルテット」とアストロノーツ・スピカの最初の作品「えれくと!」は前者がアンドロイド、後者がサキュバスということで、SF・ファンタジーの作品であった。現実の世の中では有り得ない「非現実性」「フィクション」がエロゲーの魅力の一つなのは間違いないので、それらに走ることは決して非難すべきことではないのだが、しかしそういうものを排除しつつ「読める」ストーリーにするというのはそれなりに大変なはずだ。
それを十分に達成したからこそ評価されたのがアトリエかぐやの「プリマ☆ステラ」だったわけで、本作品で再びSF・ファンタジーを離れることで、ふたたび同レベルの作品を目指そうとする意欲と自信が感じられた。今後の活躍が楽しみだ。
、、、、、、と思ったのだが、ピロ水を始めとして再び一部スタッフ離脱とのこと。まあどこに行っても良い作品を作ってくれればいいのだけれども。