エロゲ界のラスボスと(個人的に)思ってのプレイ。最初から最後まで非常に心を動かされた作品でした。面倒くさいヒロインが多い中、その中でも小木曽雪菜の人間臭さが大好きです。
長かった…本当に長かった…けど、最後にプレイした雪菜トゥルールートでは、メインの3人がまた3人に戻る展開や、かずさの成長(etc…私の見たかったもの全てが見れたので満足です。雪菜自身が折れそうになりながらも諦めずに手に入れた「みんなの幸せ」を描いたEDでのCGは、作品の締めとして美しく、雪菜派だった私は綺麗にこの作品を終わらせることができました。
シナリオに関して、長いと言っても無駄だと思える部分は1つもなく、何気ない日常描写でも登場人物たちの掘り下げや細かい関係性の変化など、プレイヤーが物語の状況を理解しやすいよう丁寧に書かれており、序盤からすんなりと物語に入り込めることができました。また、長い作品だったからこそ、かずさトゥルーでの小木曽家や武也くんとの決別のシーンなど、心に深く刺さる展開も多々あり、感情を大きく動かされました。
それ以外にも、声優さんの息遣い1つとっても丁寧な演技、ライブシーンを始めとした印象に強く残るシーンだけでなく、視点移動を思わせる地面の背景を差し込むなどの細かい演出面、ビジュアルノベルとしての完成度の高さには、エロゲ界のラスボスとしてプレイしてよかったと心の底から思える作品でした。
最終的な結論として、WA2は北原春希の物語というより、小木曽雪菜の自分の信じる幸せを掴むための成長物語という印象が強く残りました。彼女の諦めない強さと変わらない優しさ、そのキラキラと輝く中で少しだけ見え隠れする泥臭い人間らしさが本当に大好きです。