散々言われていることですが、メインルートのラストには衝撃を受けました。この結末は他ゲーでは見られないと思うので、それだけでもプレイした価値がありました。
ユリルートのラストが今作の最大の魅力だと思うし、共通部分から散々引っ張ってきた「私だけを見ててね」という言葉を、ああいう形でぶつけられるとは思わなかった衝撃も込みで個人的にもおもしろかったです。しかし、そこに至るまでの主人公の行動が自業自得すぎて、あまり精神的ダメージとはならなかったのは残念。
尺としても展開の割にあっさりと終わるため、余韻も何もなくぶつっとタイトル画面に戻されます。その終わり方自体は、衝撃や混乱、終わったのだと理解して諦めまでの感情を一気に体験できるので、個人的にはいいと思うのですが、共通でのユリとのエピソードをもっと濃くしてもらえると、その唐突な終わりにもっと味が出るのかなぁと思いました。
あと、主人公に対して思うことが1つ。彼のやったことが自業自得なのに変わりはないのですが、あれなければこれなしの物語なので、結果はどうあれ彼もまた1人の被害者だと思っております。
個人的にはミクが加わって四角関係になったあたりのドロドロ展開、主人公から見たそれぞれのヒロインの対比、登場人物たちの見え隠れする黒い部分に(私が)疑心暗鬼になっている時間が楽しんで読み進められた気がします。