プレイ開始時はノリと勢いで突っ走るシナリオに温度差を感じたものの、進めれば進めるほどキャラの関係性や掛け合いに魅力を感じるようになりました。冷静に考えるとツッコミたいところも多々ありますが、それ以上に自分の好きなシーンが多かったので、「考えるな、感じろ」の精神で楽しむことができました。
個人的に気になった部分↓
~シナリオ展開に関して~
主人公の女性恐怖症を克服する展開はルート毎に異なり、その後のヒロインとの関係の深め方などは、サブキャラたちも交えながら丁寧に書かれていたと思います。個人的にはそこが何よりもお気に入りポイントだったのですが、それを吹き飛ばす勢いでの告白→即Hには本当に驚かされましたこれがエロゲというのは百も承知ですが、なんで急にそこで雑になっちゃうの…と、ちょっと悲しくなったり。
~キャラに関して~
ヒロインも皆いい子ですが、個人的にはサブの杏ちゃんや親友ポジの薊が好きでした。「友」としての主人公との信頼関係の描写は、他のキャラでは出せない青臭さがありました。とても好き。
千里先輩に関してはおまけ程度ではあるものの、ルート派生の展開は無理やり感が強く、キャラとしての魅力も損なわれるような扱いだったので残念でした。杏ちゃんたちのように「友」もしくは「先輩」の関係で終わらせた方が、魅力的だったように感じます。
他には、主人公サイドのキャラが皆、意識して善人として書かれている反面、モブキャラの不快さはこのゲームの雰囲気に似つかわしくない程目立ちます。そのアンバランスさは読む上ではわかりやすくもあり、同時に悪役へのチープさを感じる一因となりました。
上記の通り、お気に入りポイントの反面に気になるポイントがある作品となりましたが、一言感想にも書いた通り「考えるな、感じろ」です。青臭い展開、大いに結構。主人公サイドの言葉には心を動かされるものもあり、ゲームとしての評価というよりも個人的な感情点が高いゲームとなりました。