真咲ちゃんのケモ耳もふもふし隊。キャラはさすがのゆず作品。シナリオはよくもわるくも単調
サノバウィッチでゆずにはまって、衝動買いしてしまったゆず作品の中で最初にフルコンプした作品です。
(サノバウィッチは単純に共通ではまってしまったので、他のゆず作品をプレイし終えてからまた1から始めようと思ってます)
<シナリオ>
一言感想でも書きましたがシナリオは単調気味。山場はあれど、上りも下りも緩やかな砂の山のようにあっさりしたものです。
よく言えば丁寧、悪く言えば退屈な日常描写をどう捉えるかで、ゲーム進行度に影響が出そう。
ちなみに私は半々でした。まったりとした雰囲気を楽しめるのはいいのですが、もう少し削れる部分を削ってスマートに仕上げてもよかったんじゃないかなー、なんて思ったり。ただ、どのルートも付き合うまでが長い。お互いが好きと気づいても、主人公の立場が「教師」というせいもあって、なかなかくっついてくれません。かと言って、付き合いだしたら今までの苦悩はどこへ行ったんだとばかりに吹っ切れてくれます。あれだけ立場の問題で悩んでたのに、ルートによっては学校でえっちいことをお仕置きと称してやっちゃったり、状況は置いといて付き合ってすらいない教え子と肌重ねたりなんだり。これを広い心で受け止めて、素直にシコリティを萌えを楽しめればよかったんですけど、私からするとツッコミどころでしかなかったのがつらい。
こういうことになるなら、最初から主人公を学生にしてもよかったのでは…教師という立場だからこそ、主人公の悩みも理解できるのですが、わざわざそれをファンタジーを織り交ぜた世界観の物語で書く事もなかった気がします。ていうか、空に浮かぶ島という最高にファンタジーで心躍る世界観なのに、シナリオは全然ファンタジーじゃありません。舞台が空に浮かぶ島の女子校というだけで、中身は他の学園モノエロゲと対して差がないというのが惜しい。本当に惜しい。
素材の1つ1つは最高なものを用意してるのに、その味付けを間違ってしまった、そんな風に感じるシナリオでした。ただ、全てが全て悪いというわけではなく、感動できる場面はしっかりと抑えているため、各シナリオが終わったあとの余韻は悪くないというのが個人的な感想です。
<キャラ>
キャラは流石ゆずソフトと言うべき!真咲ちゃんのしっぽでおもいっきりビンタされたい。かわいい。
攻略キャラはメイン4人とサブ2人の計6人。全員それぞれ違った個性をもっていてかわいいです。
ただ、上でも書きましたが、主人公の(立場上の)問題で素直に萌えられる展開が少なかった…。それどころか、完全に足を引張ていて思うようないちゃらぶができず、ヤキモキされることが多くそこが残念。声もみんなキャラに合っていてよかったです。特に、桐谷華さんはサノバウィッチの寧々ちゃんでもそうでしたが、キャラを魅力的に感じさせる演技が最高に上手ですね。真咲ちゃんというキャラの破壊力はセリフ一言聞いただけでも伝わると思います。もうそれくらいかわいい、たまらん。
あと、シャーリィの妄想シーンの北見六花さんの男役演技が意外にもはまっていて思わず笑ってしまいました。そしてかわいい。
攻略ヒロインたちだけでなく、サブキャラの皆さんもオーウェンさんや虎倉先生含めいいキャラをしてます。特に不快なキャラもいないので、キャラクターが不快だからゲーム進行に関わるという問題は起きないと思います。
個人的キャラ問題は主人公1人だけ。キャラとしては嫌いじゃないんです。先生という立場から見ても、学生のことをちゃんと見ているし、過去のトラウマを抱えながらも、同じ過ちを繰り返さないよう教師としての務めを果たそうとする姿は好感が持てます。ヒロインとの恋愛も自分の立場を理解した上で真摯に向き合って好感はもてる…もてるはずなんですが、キャラがぶれぶれなところとか、納得できない部分が多すぎてなんとも言えない印象に落ち着いてしまいました。
教師が主人公のエロゲで高評価作品はそこそこあるのに、どうしてこうなったとしか言いようがない…。個人的にシナリオの一番の被害者は主人公の鷺ノ森先生。
<CG>
キャラの造形がかわいい、線画と色塗りが丁寧、背景も綺麗、そしてかわいい。多くを語る必要がないくらいCGに関しては文句なしで大満足です。
立ち絵もセリフに合わせてころころ変わるし、シーンに合わせて制服、パジャマ、普段着、おしゃれ着、水着と衣装だけでなく髪型や身につけてる小物まで変わっちゃいます。それがまたかわいいから満足を通り越して大満足。髪型1つ違うだけでも印象はだいぶ変わりますし、そのキャラに対する愛着も湧いてきますね。
<音楽>
特にこれと言って語ることはないかな。OP、ED共に個人的には普通。ただOPはゲーム中でも流れるせいか耳に残るメロディですね。ゲーム内でのBGMも作品の雰囲気やシーンにあったものを上手く選んでいるため違和感なくゲームをプレイすることができました。
<システム>
必要最低限なシステムだけでなく、オートモードの速度、文章表示速度など細かく設定できるため、よくいう痒いところに手が届く親切なシステムで快適にゲームがプレイできます。個人的に特筆したいのは次の選択肢までスキップとログから前のシーンに戻ることができるのはありがたい。実装してるゲームはあることにはあるんですが、やっぱりあるのとないのとでは全然違いますね。
サノバウィッチから実装されたお気に入りボイスとかいう神システムは今作にもほしかったですね…好きなセリフとボイスが多すぎる。サノバウィッチより前の作品だからわがまま言うこともできないんですけどね(´・ω・`)
<総評>
いろいろ書きましたが、主人公が教師ということと、それに関するゴタゴタが嫌じゃないという人なら、キャラもかわいいしプレイしても損はないかな。でも、個人的な満足度は微妙なところ。キャラはいいけど、やっぱりシナリオが足を引っ張っている印象ですね。ということで、点数は72点と微妙な点数を付けさせて頂きました。72点の9割は絵と声優さんへの満足度です。